原著
根治的gastrinoma切除術のための術中secretin静注試験―gastrin迅速測定法―
服部 泰章, 今村 正之, 戸部 隆吉
京都大学第1外科
Gastrinのradioimmunoassayにおいて抗gastrin抗体の反応条件を工夫することによってインキュベーション時間を大幅に短縮し1時間余りで結果を得ることができた.本法の測定感度は20 pg/mlで,assay内変動係数は4.8±2.4%,assay間変動係数は3.8±1.0%と再現性は良好であった.また通常の測定法とはy=-26.97+1.052X,r=0.994ときわめて良好な相関を示した.Zollinger-Ellison症候群3例の手術中にsecretin静注試験をおこないこの迅速測定法によってその陰性化を判定した.その結果手術中にgastrinomaの完全摘出を確認することができ有用であった.今後の課題として低濃度域の感度の改善が必要と思われた.
索引用語
rapid assay of gastrin, intraoperative secretin test, curative resection of gastrinoma, selective arterial secretin injection test
日消外会誌 23: 1094-1101, 1990
別刷請求先
服部 泰章 〒606 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部第1外科
受理年月日
1989年12月13日
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