特集
筋電図・内圧・pHからみた食道胃接合部病変の病態
神津 照雄, 村島 正泰, 村岡 実, 宮崎 信一, 坂ロ 文秋, 菱川 悦男, 有馬 美和子, 田中 元, 石島 秀紀, 佐久間 洋一, 小野田 昌一, 平島 毅, 磯野 可一
千葉大学医学部第2外科
われわれの開発した,内視鏡ガイド下に食道筋電図,内圧,pHを同時に測定する方法で,63例を対象に食道胃接合部病変とくに逆流性食道炎の病態について検討した.その結果,食道粘膜に酸性化を関知する受容体が存在すると仮定すると,正常例,食道炎(一)例,および食道炎(+)でも,その程度の軽いI型ぐらいまでの症例においては,逆流した酸に対する排出機能が残存していると筋電図の解析からはいえる.しかしそれ以上の進行した食道炎の形態を示す症例ではその機能は消失していると推定される.この一度消失した,逆流した酸に対する食道の排出機能がどの程度,可逆性なのかは今後の検討課題である.
この点が解明されると逆流性食道炎に対する外科手術の適応が明確になると考えられる.
索引用語
reflux esophagitis, electromyogram, esophagogastric junction
日消外会誌 23: 2447-2451, 1990
別刷請求先
神津 照雄 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科
受理年月日
1990年6月13日
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