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第24巻 第12号 1991年12月 [目次] [全文 ( PDF 396KB)]
症例報告

術前化学療法が奏効した高度腹水を伴ったBorrmann 4型胃癌の1例

鈴木 孝雄, 柏原 英彦, 蜂巣 忠, 大森 耕一郎, 坂本 薫, 天野 穂高, 横山 健郎

国立佐倉病院外科

 症例は55歳女性.腹部膨満を主訴として来院した.Computed tomography,上部消化管透視などにて腹膜播種を伴った高度進行Borrmann 4型胃癌で切除不能と診断し,化学療法を施行した.入院時の白血球数は2,400/mm3と低値であったが,5-FU 200 mgの経口投与とシスプラチン100 mgの腹腔内投与の合併療法,さらにシスプラチン100 mg,エトポシド225 mg,5-FU 2,250 mg静脈内投与の合併療法を施行したところ腹水の消失と原発巣の改善を認め,白血球の減少は軽度であった.以上から切除可能になったと判断し,胃全摘術を施行した.切除標本の病理組織所見でもわれわれの術前化学療法の有効性が確認された.

索引用語
gastric cancer, pre-operative cancer chemotherapy, Cis-platinum

日消外会誌 24: 3000-3003, 1991

別刷請求先
鈴木 孝雄 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科

受理年月日
1991年9月4日

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