原著
大腸癌切除例における原発巣とリンパ節転移巣の核DNA量の比較検討
牛田 伸二, 黒岡 一仁, 船井 貞往, 山田 博生, 藤井 良憲, 今西 幸雄, 松田 泰次, 進藤 勝久, 安富 正幸
近畿大学医学部第1外科
大腸癌143例の核DNA量をflow cytometryを用いて測定し,DNA index(DI)からみたリンパ節転移との関係について検討した.DNA ploidy patternはDNA diploidy:50例,DNA aneuploidy:93例でリンパ節転移を認めたものはそれぞれ,30.0%(15/50),62.4%(58/93)とDNA aneuploidyに有意に高率であった.リンパ節転移陽性率は,DI=1.3(75.0%),1.5(71.4%),1.6(100%),1.7(70.0%)にやや頻度が高く,これらのDIを示す大腸癌はリンパ節転移をきたしやすい可能性が示唆された.さらに21例についてリンパ節転移巣の核DNA量を測定し原発巣と比較したところ,両者のDIは全例で一致した.
索引用語
flow cytometry, nuclear DNA content, lymph node metastasis of colorectal cancer
別刷請求先
牛田 伸二 〒589 大阪狭山市大野東377-2 近畿大学医学部第1外科
受理年月日
1991年10月9日
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