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第25巻 第1号 1992年1月 [目次] [全文 ( PDF 355KB)]
原著

大腸癌における末梢静脈および腫瘍灌流静脈血中CEA,CA19-9,CA125値についての検討

吉田 和彦, 田部 昭博, 中川 辰郎, 養田 俊之, 穴沢 貞夫, 桜井 健司

東京慈恵会医科大学第1外科

 大腸癌患者において腫瘍灌流静脈血中の腫瘍関連抗原(tumor associated antigens:TAA)であるcarcinoembryonic antigen (CEA):carbohydrate antigen 19-9(CA19-9),carbohydrate antigen 125(CA125)値(d-CEA,d-CA19-9,d-CA125)と末梢血のそれら(p-CEA,p-CA19-9,p-CA125)とを比較し,両者の関係を検討した.腹膜飜転部上に主座をもつ大腸癌患者16名を対象とし,原発巣切除前に腫瘍灌流静脈より採血し,各腫瘍関連抗原値(d-TAA)とヘマトクリット値(d-Hct)を測定した.また,同時に末梢血のHct値(p-Hct)と各腫瘍関連抗原値(p-TAA)を測定した.d-Hctはp-Hctと高い相関(r2=0.90)を示し,全身血による希釈効果(×coef.=0.89)を認めた.d-CEAとp-CEA,d-CA19-9とp-CA19-9,d-CA125とp-CA125は,それぞれ高い相関(r2=0.91,0.96,0.81)を示した.以上の結果より,d-TAAとp-TAAは均衡しており,p-TAAは腫瘍より放出されるTAA量をよく反映している.

索引用語
carcinoembryonic antigen, carbohydrate antigen 19-9, carbohydrate antigen 125, colorectal cancer

日消外会誌 25: 63-66, 1992

別刷請求先
吉田 和彦 〒105 港区西新橋3-25-8 東京慈恵会医科大学第1外科

受理年月日
1991年10月9日

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