症例報告
腸管病変をともなった中毒性表皮壊死症の1例
高野 篤, 緒方 卓郎, 荒木 京二郎, 松浦 喜美夫, 金子 昭, 吉川 健
高知医科大学第1外科
症例は42歳,女性.消炎・鎮痛剤に起縁する中毒性表皮壊死症(以下TEN)の皮膚病変の治癒後,腹痛・腹部膨満出現す.回腸末端の狭窄によるイレウスと診断し,回盲部切除施行した.粘膜面は発赤・びらん状を呈し,白苔・壊死状物質がまだら状に付着していた.組織学的には粘膜のみの壊死状変化で粘膜筋板は保たれており,TENの皮膚病変と類似していた.これらの点よりこの腸管病変はTENの1病変であると考えられた.
索引用語
intestinal lesion of toxic epidermal necrolysis
別刷請求先
高野 篤 〒271 松戸市高塚新田123-1 国立療養所松戸病院外科
受理年月日
1991年10月9日
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