症例報告
魚骨によるMeckel憩室穿孔の1例
田中 満, 宇都宮 裕文, 松谷 泰男, 中山 裕行, 胡 興柏, 横山 正, 野口 雅滋, 辻 雅衛, 向原 純雄, 上山 泰男
京都市立病院外科
メッケル憩室はその多くが無症状に経過し,一部が穿孔などの合併症により,偶然発見される比較的まれな疾患である.穿孔の原因は,迷入組織の存在,異物,腫瘍やクローン病などであるが,異物によるメッケル憩室穿孔はまれである.今回われわれは,魚骨によるメッケル憩室穿孔のきわめてまれな1例を経験したので,本邦報告例4例とともに報告する.症例は4歳男児で,長さ1.8 cmの魚骨の両端が憩室壁を穿破していた.他に異常を認めず憩室切除を施行した.病理組織検査の結果,迷入組織は認めなかった.
索引用語
perforated Meckel's diverticulum, perforation by fish bone
日消外会誌 25: 1325-1328, 1992
別刷請求先
田中 満 〒604 京都市中京区壬生東高田町1-2 京都市立病院外科
受理年月日
1992年1月8日
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