症例報告
十二指腸乳頭部に発生した内分泌細胞癌と管状腺癌の複合腫瘍の1例
三谷 眞己, 片岡 誠, 桑原 義之, 呉山 泰進, 岩田 宏, 正岡 昭
名古屋市立大学第2外科
症例は59歳の男性,十二指腸乳頭部癌にて膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的診断は内分泌細胞癌と管状腺癌の複合癌であった.両癌部位を,グリメリウス染色,フォンタナマッソン染色,免疫組織化学的染色にて検索したところ,内分泌細胞癌部において,グリメリウス染色,Leu 7が極散在性に,腺癌部においてグリメリウス染色,クロモグラニン,neuron specific enolase(NSE),Leu7,carcinoembryonic antigen(CEA)が陽性を呈した.これは両者の起源が共通であることを示唆しているとともに,通常,神経内分泌機能を有することが多いとされる内分泌細胞癌部より,腺癌部にかえって神経内分泌機能がみられた.
索引用語
composite tumor, endocrine cell carcinoma, papilla vater
別刷請求先
三谷 眞己 〒467 名古屋市立瑞穂区瑞穂町川澄1 名古屋市立大学医学部第2外科
受理年月日
1993年12月8日
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