症例報告
巨大大網嚢腫性リンパ管腫の1例
川手 進, 六本木 隆, 大和田 進*
国立沼田病院外科, 群馬大学第2外科*
偶然に発見された巨大な大網嚢腫性リンパ管腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告した.患者は16歳の男性で,感冒様症状のため来院した際に,腹部の膨隆と波動を指摘され,精査加療のため入院した.腹部超音波および腹部CT検査で多房性の腫瘤を認め,大網嚢腫の診断で嚢腫剔出術を施行した.嚢腫は多房性で,大きさ32×23×15 cm,重さ7,100 gで,その表面は大網組織で覆われていた.病理組織学的に腫瘍は嚢腫性リンパ管腫であつた.本症例は大網嚢腫の本邦報告例のうち最大であった.
索引用語
omental cyst, abdominal cyst, cystic lymphangioma
日消外会誌 27: 1999-2002, 1994
別刷請求先
川手 進 〒371 前橋市昭和町3-39-15 群馬大学医学部第2外科
受理年月日
1994年4月13日
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