食道癌集学的治療における術前Cisplatin,5- Fluorouracil併用化学療法の安全性と直接効果に関する検討

南出　純二, 小泉　博義, 青山　法夫, 小沢　幸弘, 徳永　誠, 深野　史靖, 森脇　良太

神奈川県立がんセンター外科第1科

　食道癌集学的治療における術前Ciplatin，5-Fluorourasil併用療法（以下，CDDP＋5FU療法と略記）の安全性，直接効果について検討した．対象は1991年9月から1993年8月までに手術した食道癌症例85例中，術前CDDP＋5FU療法を施行した32例である．Cisplatin 80 mg/m²（day 1），5-Fluorouracil 800 mg/m²（day 1～4）で3週間を1コースとし，不変または進行例には手術を行い，有効例には2コース目を施行した．
　副作用は軽度であり手術日程や術後経過に影響を及ぼさなかった．画像診断では有効11例，不変17例，進行4例であった．病理組織学的診断では軽度の効果以上が18例（56％）となった．7例（28％）のリンパ節に軽度の効果以上の効果がみられた．術前CDDP＋5FU療法は副作用が少なく，術後経過に悪影響を及ぼさず，リンパ節に対する効果も認められた．

索引用語
neoadjuvant chemotherapy for esophgeal carcinoma, cisplatin and 5-fluorouracil combination chemotherapy, side effects of chemotherapy, histopathological examination

別刷請求先
南出　純二　〒236　横浜市金沢区福浦3-9　横浜市立大学第1外科

受理年月日
1994年7月6日

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