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第28巻 第4号 1995年4月 [目次] [全文 ( PDF 461KB)]
症例報告

軟骨化生を伴う胃平滑筋肉腫の1例

佐藤 宏彦, 西 正晴, 嵩原 裕夫, 古味 信彦

徳島大学第1外科

 症例は60歳の男性で,腫瘍は胃体上部後壁にあり胃内性に4.4×3.7×2.6 cm,胃外性に8.4×7.4×7.6 cmの大きさで,重量は420 gでSkandalakis分類の混合型を示した.病理組織学的にはHE染色で紡錘形細胞から成り細胞密度が高く,核分裂像も比較的多く見られた.免疫組織化学的染色にてα-smooth muscle actineが陽性を示す平滑筋肉腫の像とHE染色で弱好塩基性を示す硝子様の基質形成が見られた.またトルイジンブルー染色でメタクロマジーを呈し,アルシアンブルー染色で青染,さらにS-100蛋白陽性を示し軟骨組織様形態を認めた.
 以上より軟骨様分化を呈した胃平滑筋肉腫と診断された.
 われわれが検索した限りでは,本邦において軟骨様分化を呈した胃平滑筋肉腫の報告はみられず文献的考察を加え報告した.

索引用語
leiomyosarcoma of stomach, cartilage formation

日消外会誌 28: 836-840, 1995

別刷請求先
佐藤 宏彦 〒770 徳島市蔵本町3-18-15 徳島大学医学部第1外科

受理年月日
1995年1月11日

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