原著
胃癌患者所属リンパ節における免疫細胞の組織化学的検討
莎其 拉1)2), 恩田 昌彦1), 徳永 昭1), 浅野 伍朗2)
日本医科大学第1外科1), 同 第2病理2)
担癌患者の局所免疫能を検討するため50例の胃癌患者を対象として,切除胃の所属リンパ節を用い,Tリンパ球,Bリンパ球およびTリンパ球サブセットの分布およびS-100陽性樹状細胞の局在について検討した.転移陽性リンパ節においてはTリンパ球の減少,Bリンパ球の増加,抗原提示細胞として樹状細胞数の減少や形態学的変化が観察された.Tリンパ球サブセットの検索では,転移陽性リンパ節においてCD4陽性細胞数の減少および細胞の空泡状変性が認められた.担癌患者とくに胃癌患者の所属リンパ節における免疫担当細胞の量的および質的変化は癌の進展,患者の免疫能や予後に関連することが示唆される.
索引用語
gastric cancer, metastasis in lymph nodes, T-lymphocytes, B-lymphocytes, dendritic cell
日消外会誌 28: 2145-2150, 1995
別刷請求先
徳永 昭 〒113 文京区千駆木1-1-5 日本医科大学第1外科
受理年月日
1995年7月5日
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