特集
遺伝子制御による異種移植の研究
林 衆治, 長坂 隆治, 片山 昭男, 昭男 政隆, 禰宜田 政隆
, 小池 千裕, 横山 逸男, 高木 弘
名古屋大学医学部第2外科
異種臓器移植は脳死ドナー不足を解決する有力な手段であるが,移植後早期に生ずる超急性拒絶反応が最大の問題である.我々は,in vitroで補体制御因子遺伝子導入の効果を検討するとともに,アデノウイルス法を用いてin vivoでの遺伝子導入の可能性を検討した.その結果,補体制御因子遺伝子導入により異種免疫反応は効果的に抑制されること,アデノウイルス法での遺伝子導入は特に異種移植ドナーとして最適と考えられているブタ肝臓で有効であることが明らかとなった.以上より,遺伝子治療の技術のひとつであるアデノウイルス法は遺伝子制御による異種移植に有効であることが示唆された.
索引用語
xenotransplantation, gene engineering, complement activation
別刷請求先
林 衆治 〒466 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学医学部第2外科
受理年月日
1995年12月6日
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