症例報告
転移再発した大腸sm癌の4例
徳永 信弘, 貞廣 荘太郎, 野登 隆, 安田 聖栄, 向井 正哉, 石田 秀樹, 木村 富彦, 鈴木 俊之, 田島 知郎, 幕内 博康
東海大学第2外科
1976年から1993年までに腸切除あるいは経肛門的切除が行われた大腸sm癌症例51例のうち4例(7.8%)に転移再発が認められた.4例の肉眼的形態はいずれもIspで平均腫瘍径は20 mm,占居部位はS状結腸2例,Rs 1例,Rb 1例であった.Rbの1例に局所切除,その他の3例に腸切除が行われ,うち2例がリンパ節転移陽性であった.再発形式は肝転移1例,肺転移1例,大動脈周囲リンパ節転移1例,肝,肺,リンパ節転移が同時にみられたものが1例で,転移再発までの期間は9か月から4年(平均2年7か月)であった.
大腸sm癌の転移再発はまれでなく,組織学的所見からその予測は困難であることから大腸sm癌であっても的確な経過観察が重要であると考えられた.
索引用語
submucosal invasive colorectal cancer, risk factors of recurrence, distal metastasis
別刷請求先
徳永 信弘 〒259-11 伊勢原市望星台 東海大学第2外科
受理年月日
1997年10月1日
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