症例報告
肝外胆管内発育を伴う肝内胆管癌の2例
落合 秀人, 菱沼 正一*, 那須 二郎*, 安藤 二郎*, 尾澤 巌*, 松井 淳一*, 稲田 高男*, 清水 秀昭*, 固武 健二郎*, 尾形 佳郎*
国立療養所天竜病院外科, 栃木県立がんセンター外科*
肝外胆管内発育を伴った肝内胆管癌2例を経験したので報告する.
症例1は46歳の女性で,易疲労感,食欲不振で発症した.画像上,肝左葉内側区域に径6 cmの結節を形成し,同区域の肝内胆管から総胆管内に発育する腫瘍が認められたため,拡大肝左葉切除および肝外胆管切除術を施行した.切除標本の病理所見では胆管細胞癌であり,胆管内発育は総胆管下部に達していた.
症例2は63歳の男性で,肝左葉外側区域に肺内門脈枝および胆管への浸潤を伴う径7 cmの腫瘍を認め,肝左葉切除および尾状葉部分切除術を施行した.切除標本では胆管細胞癌であり,肝外側区域における結節形成と,総肝管に達する胆管内発育が認められた.
同様な発育形態を示した肝内胆管癌の報告例は過去1例のみであり,非常にまれである.
索引用語
cholangiocellular carcinoma, intraductal extension into the extrahepatic bile duct
日消外会誌 31: 1996-2000, 1998
別刷請求先
落合 秀人 〒434-3192 浜松市半田町3600 浜松医科大学第2外科
受理年月日
1998年5月19日
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