症例報告
4回の肝切除により残肝が1亜区域(S5と尾状葉)のみで長期生存がえられた転移性肝癌の1例
藤井 義郎, 遠藤 格, 田中 邦哉, 郷 克己, 渡会 伸治, 嶋田 紘
横浜市立大学第2外科
症例は56歳の女性.平成3年6月,直腸癌と同時性肝転移の診断で,低位前方切除術と肝S7部分切除術を施行した.術後6年の間に3回の肝再発をきたし,それぞれ肝切除術を施行した.平成10年10月現在,残肝はS5と右尾状葉のみで残肝再発はなく生存中である.本症例は,肝切除を繰り返すことで残肝が一亜区域のみになったにもかかわらず,長期生存がえられた興味ある症例と思われたので報告する.
索引用語
liver metastasis, colorectal carcinoma, repeated hepatic resection
日消外会誌 32: 2563-2567, 1999
別刷請求先
藤井 義郎 〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9 横浜市立大学医学部附属病院第2外科
受理年月日
1999年5月25日
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