症例報告
多血症を主訴としたエリスロポエチン産生肝細胞癌の1例
佐藤 太一郎, 松本 隆利, 森浦 滋明, 永田 純一, 高山 祐一, 平野 篤志, 石黒 成治
八千代病院外科
エリスロポエチン産生肝細胞癌の1例を報告する.症例は64歳の男性で,多血症と肝腫瘍のため当科に紹介された.CTでは肝右葉に大きな腫瘍を認め,腹部超音波検査では下大静脈腫瘍栓を認めた.血中エリスロポエチン値は1,510mU/mlと著明に上昇していた.経肝動脈的化学療法は無効で入院後61日で死亡した.病理組織診断では索状型の肝細胞癌でエリスロポエチンの免疫組織染色が陽性であった.多血症を伴う肝細胞癌は本邦で8例報告されているのみでまれである.
索引用語
erythropoietin producing hepatocellular carcinoma
日消外会誌 32: 2568-2572, 1999
別刷請求先
佐藤 太一郎 〒446-8510 安城市東栄町1-10-13 八千代病院外科
受理年月日
1999年5月25日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|