原著
消化管平滑筋腫瘍の臨床病理学的検討
仲地 厚, 下地 英明, 宮里 浩, 伊佐 勉, 白石 祐之, 草野 敏臣, 武藤 良弘
琉球大学医学部第1外科
消化管平滑筋腫瘍48例を対象として予後判定因子を得るため無再発群35例と再発群13例に分け検討した.再発群で腫瘍径10.9±5.3 cm(無再発群:4.5±3.5 cm),核分裂数1.64±1.38(0.24±0.67),MIB-1細胞数150.7±78.4個(32.9±41.4個),MIB-1指数5.29±2.72%(1.21±1.38%)で無再発群に比較し有意に高値であった.核DNA量計測でaneuploidは再発群(71.4%)が無再発群(40.9%)より多い傾向であった.p53蛋白陽性は4例ですべて再発群であった.単変量解析ではMIB-1細胞数とMIB-1指数が最大の予後規定因子であった.MIB-1指数が5以上かMIB-1細胞数が160以上でp53蛋白陽性で全例再発していた.カットオフ値の設定を試みると境界領域に含まれる症例が散見され,カットオフ値にある程度の幅をもたせ境界領域に含まれる症例の適切な経過観察が必要と思われた.
索引用語
smooth muscle tumor, mitotic figures, MIB-1, DNA ploidy, p53
日消外会誌 33: 1461-1467, 2000
別刷請求先
仲地 厚 〒903-0215 沖縄県中頭郡西原町字上原207 琉球大学医学部第1外科
受理年月日
2000年4月26日
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|