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第33巻 第11号 2000年11月 [目次] [全文 ( PDF 103KB)]
症例報告

粘液腫様変性を伴った孤立性胃粘膜下異所腺の1例

大城戸 政行1)3), 加藤 雅人1), 松浦 隆志2), 一宮 仁1), 中垣 充1), 八尾 隆史4)

国家公務員共済組合連合会浜の町病院外科1), 同 放射線科2), 九州大学臨床・腫瘍外科3), 同 第2病理4)

 胃の粘液腫様変性は極めてまれである.今回,粘膜下腫瘍の形態を呈し,孤立性胃粘膜下異所腺に随伴した粘液腫様変性を経験したので報告する.症例は54歳の男性.上部消化管造影X線検査および胃内視鏡検査にて胃体上部後壁に表面に浅い陥凹を伴うなだらかな隆起性病変を認めた.切除標本の肉眼所見で粘膜下層に境界明瞭なゼリー状の貯留を認めた.病理組織学的検査では粘膜下層内に粘液腫様組織が存在しその周囲に不規則嚢状に拡張した胃腺窩上皮様の異所腺がみられた.発生機序は不明であるが繰り返す粘膜の炎症性刺激の関与が示唆された.類似症例の報告はなく病理学的に非常に興味ある症例と思われた.隆起を呈する胃粘膜下異所腺は比較的まれであるが,胃粘膜下腫瘍の診断に本症例のような特殊例も考慮すべきと考えられた.

索引用語
gastric gland heterotopia, myxoid change, submucosal tumor

日消外会誌 33: 1802-1805, 2000

別刷請求先
大城戸 政行 〒810-8539 福岡市中央区舞鶴3-5-27 浜の町病院外科

受理年月日
2000年7月25日

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