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第34巻 第3号 2001年3月 [目次] [全文 ( PDF 76KB)]
症例報告

腸閉塞にて発症した回腸子宮内膜症の1例

篠原 寿彦1), 水谷 央1), 下野 聡1), 長谷川 拓男1), 高橋 宣胖1), 西井 寛2), 落合 和彦2), 遠藤 泰彦3), 酒田 昭彦3)

東京慈恵会医科大学青戸病院外科1), 東京慈恵会医科大学産科婦人科2), 東京慈恵会医科大学病理科3)

 症例は50歳の女性.平成11年1月頃より月経周期の度に腹痛と腹満感を感じていた.月経が終了すると腹痛も改善していたため放置していたが,平成12年2月再び著明な腹痛が出現し来院した.腸閉塞の診断にてイレウス管を挿入して保存的に軽快するも小腸造影にて回腸末端付近に狭窄を認めたため開腹手術を行った.手術所見では,回腸末端より10cmの所に全周性の潰瘍瘢痕様の絞扼と子宮底部に20mm大の筋腫と右卵巣にチョコレート嚢胞を認め回腸部分切除術および子宮全摘術,両側付属器摘出術を行った.病理組織診断にて右卵巣に内膜症を認め,また回腸の絞扼部には粘膜下層から漿膜にわたって同様の内膜症病変が多発していたため,異所性子宮内膜症による回腸絞扼と診断した.
 回腸子宮内膜症による腸閉塞の1症例を経験したので本邦報告35例を加え文献的考察を行った.

索引用語
Intenstinal obstruction, Ileal endometriosis

日消外会誌 34: 277-281, 2001

別刷請求先
篠原 寿彦 〒201-8601 狛江市和泉本町4-11-1 東京慈恵会医科大学附属第3病院外科

受理年月日
2000年11月29日

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