原著
総胆管直接閉鎖術におけるVascular Closure Stapleの有用性に対する実験的検討
齊藤 直人, 篠塚 望, 小山 勇
埼玉医科大学第1外科
Vascular closure staple(VCS)を用いた総胆管直接閉鎖術の有用性を実験的に検討するため,ラット閉塞性黄疸モデル22例および,ウサギ5例に対しVCSを用いた総胆管の直接閉鎖術を施行した.総胆管結紮ラットモデルにおいて,クリップによる閉鎖時間は全例5分以内であった.また,閉鎖後,7病日,28病日ともに死亡したラットはなく,明らかな腹腔内膿瘍や胆道狭窄は認めなかった.閉鎖後総胆管の組織学的検索においても,7病日,28病日ともにVCSの内腔への突出,切開部の肥厚,切開部の炎症性変化は認めなかった.ウサギモデルに対して総胆管閉鎖後5病日に耐性テストを施行したが平均180±27mmHGの圧に耐えられた.VCSを用いた総胆管直接閉鎖術は,臨床例特に腹腔鏡下手術においても応用できると思われ今後も検討する必要があると考える.
索引用語
vascular closure staple, primary closure of common bile duct
別刷請求先
齊藤 直人 〒350-0495 埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38 埼玉医科大学第1外科
受理年月日
2000年12月19日
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