経肛門的内視鏡下手術の評価

荒木　靖三, 的野　敬子, 中川　元典, 宮城　佳昭, 笹冨　輝男, 犬塚　清久, 石橋　生哉, 緒方　裕, 白水　和雄, 磯本　浩晴^＊

久留米大学外科学教室, 久留米大学医療センター外科^＊

　早期直腸癌の局所治療は癌浸潤度，腫瘍の局在部位・大きさによって治療方法は選択される．なかでも大きな腺腫，粘膜癌，一部のsm癌に対する低侵襲手術方法として管腔内視鏡手術が要求される．そこで，早期直腸癌に対するTEMの適応についてEMRと比較検討し，さらにTEMの適応拡大のために手術手技の工夫を加えた．
　腫瘍の大きさでは腫瘍径が15mm以上の病変はEMRで水平方向の断端陽性となることがあり，TEMの手術適応と考えられた．また，腫瘍の局在ではBuess式直腸鏡を使用するために肛門縁より5～20cmの直腸腫瘍がTEMの良い適応と考えられた．しかしながら，直腸鏡の外径が40mmであるために直腸管腔が狭い症例は直腸粘膜を損傷する危険性があるのであらかじめ術前に注腸検査で直腸の走行や口径を確認することも重要である．

索引用語
transanal endoscopic surgery, early rectal cancer, endoscopic mucosal resection

別刷請求先
荒木　靖三　〒830-0011　久留米市旭町67　久留米大学外科学教室

受理年月日
2000年12月19日

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