症例報告
胆管内発育型肝細胞癌の3切除例
加藤 健太郎, 森田 高行, 長岡 央樹, 仙丸 直人, 宮坂 祐司, 藤田 美芳, 近藤 哲*, 加藤 紘之*
北海道消化器科病院外科, 北海道大学大学院医学研究科癌医学専攻癌制御医学腫瘍外科*
腫瘍栓が肝外胆管内に進展した肝細胞癌の3切除例を経験した.3例とも男性で HBV(+)であり,うち1例は肝硬変であった.全例,胆管造影にて肝外胆管に特徴的な鋳型状の陰影欠損を認め腫瘍栓と診断され,また原発巣は切除可能であったため手術を施行した.肝外の胆管内腫瘍栓は浸潤傾向がなく胆管切開することにより容易に摘出可能であった.それぞれ術後5か月,6か月,12か月現在,無再発生存中である.胆管内発育型肝細胞癌は進行した状態で診断されることが多いが,正確な術前診断を行い,切除可能なものは積極的に肝切除とともに腫瘍栓摘出を行うことが予後向上に重要であると思われた.
索引用語
hepatocellular carcinoma, intraductal growth, hepatectomy
別刷請求先
加藤 健太郎 〒065-0041 札幌市東区本町1条1-2-10 北海道消化器科病院外科
受理年月日
2001年3月28日
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