症例報告
中下部胆管と肝内胆管に発生した異時性重複癌の1例
中久保 善敬, 近藤 哲, 近江 亮, 平野 聡, 安保 義恭, 森川 利昭, 奥芝 俊一, 加藤 紘之, 清水 道生*
北海道大学腫瘍外科, 同 臨床病理部*
中下部胆管と肝内胆管に発生した異時性重複癌の1例を経験したので報告する.症例は49歳の女性で1994年6月,中下部胆管癌の診断で膵頭十二指腸切除術(Whipple 再建)を施行,絶対的治癒切除であった.4年後,下痢を主訴に再入院し,腹部CTと胆道造影で中下部胆管癌のPTBD肝内瘻孔癌再発を疑い,拡大肝左葉切除・尾状葉切除,肝門部胆管空腸吻合部切除,右肝内胆管空腸Roux-en-Y吻合を施行した.しかし病理組織学的所見から原発性胆管細胞癌と診断され,異時性の重複癌と判明した.
索引用語
bile duct carcinoma, cholangiocellular carcinoma, heterochronic development
日消外会誌 34: 1429-1432, 2001
別刷請求先
中久保 善敬 〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学医学部腫瘍外科
受理年月日
2001年5月23日
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