症例報告
von Recklinghausen病に併存した原発性十二指腸癌の1例
中田 岳成, 坂井 威彦, 熊木 俊成, 坂口 伸樹*
長野県厚生連長野松代総合病院外科, 信州大学第2病理学教室*
von Recklinghausen病(以下,R病と略記)に併存した原発性十二指腸癌の1例を経験した.症例は64歳の女性.1999年4月,食欲不振,心窩部痛にて来院,精査にて原発性十二指腸癌と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.また特有の皮膚病変と脊椎側弯症から,R病と診断された.摘出標本では,腫瘍は十二指腸乳頭上部に位置し,組織学的には,中分化型腺癌と診断された.近年R病に合併する消化管悪性腫瘍の報告は増えているが,発癌との関係については解明されていない.本症例のごとく乳頭部癌を除く狭義の原発性十二指腸癌合併R病としての切除例は極めてまれであり,若干の文献的考察を加え報告した.
索引用語
von Recklinghausen's disease, primary duodenal adenocarcinoma
日消外会誌 34: 1611-1615, 2001
別刷請求先
中田 岳成 〒381-1231 長野市松代町松代183 長野県厚生連長野松代総合病院外科
受理年月日
2001年7月30日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|