症例報告
von Recklinghausen病に合併した仙骨前神経鞘腫の1例
渡部 雅人, 石川 奈美, 亀岡 宣久, 的場 直行, 藤井 輝正, 増田 弘志, 佐藤 和洋, 岩田 隆子*
山口赤十字病院外科, 山口大学医学部保健学科*
症例は53歳の女性,卵巣嚢腫として経過観察されていたが,CTにて仙骨前神経原性腫瘍を疑われ当科入院した.現症よりvon Recklinghausen病と診断され,直腸診にて直腸後壁に弾性硬の腫瘤を触知した.CT,MRIにて仙骨前面に7cm大の嚢胞形成を伴う充実性腫瘤を認めた.血管造影では正中および左外側仙骨動脈より栄養されるhypervascular massを認めた.悪性末梢神経性腫瘍を疑い,腫瘍摘出術を施行した.摘出標本は8×6×5cm大で重さは130gの黄白色調被膜に覆われた大小の嚢胞形成を伴う充実性腫瘍であった.病理学的に良性神経鞘腫と診断された.von Recklinghausen病に合併した仙骨前神経鞘腫は極めてまれで,文献上,欧州誌に類似報告が1例あるのみであった.
索引用語
neurofibromatosis 1, presacral tumor, schwannoma
別刷請求先
渡部 雅人 〒753-8519 山口市八幡馬場53-1 山口赤十字病院外科
受理年月日
2002年1月30日
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