症例報告
右側大動脈弓に合併した食道表在癌の1手術例
石黒 秀行, 桑原 義之, 篠田 憲幸, 佐藤 篤司, 木村 昌弘, 小山 浩, 寺下 幸夫, 小西 滋, 杉浦 弘典, 藤井 義敬
名古屋市立大学第2外科
右側大動脈弓に合併した早期食道癌の1手術例を経験した.症例は58歳の男性.健診時の上部消化管内視鏡検査にて異常を指摘され,当院を紹介された.術前の諸検査から右側大動脈弓を伴う食道表在癌と診断し,食道亜全摘術・胸骨後胃管再腱術を施行した.食道への到達経路には左開胸を用いた.術中所見では,下行大動脈に憩室がみられ,左鎖骨下動脈が同部より分岐していたことから,stewart分類IIIb型の右側大動脈弓と診断した.また,食道癌の占居部位はこの大動脈憩室と左動脈管索が食道を圧排する部位に一致していた.右大動脈弓に合併した食道癌の報告はまれで,本邦では自験例を含め7例のみであった.
索引用語
right aortic arch, left ductus ateriosus, esophageal cancer
別刷請求先
石黒 秀行 〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1 名古屋市立大学第2外科
受理年月日
2002年10月30日
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