症例報告
メシル酸イマチニブ(STI 571)によるneoadjuvant chemotherapyが奏効し切除しえた小腸gastrointestinal stromal tumor後腹膜再発の1例
湊 栄治, 藤野 一平, 大竹 耕平, 松本 収生, 嶋 廣一
新宮市立医療センター
症例は48歳の男性で,2002年3月に腹部腫瘤を主訴に来院.小腸腫瘍の診断で小腸部分切除術を施行した.免疫組織化学的検索にてc-kitおよびCD34陽性,S-100,α-SMAに陰性の小腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)であった.2003年9月頃より右側腹部痛を認め近医受診したところ,右副腎近傍に直径約8 cm大の腫瘤を認め当科紹介受診となった.小腸GISTの再発の診断で,メシル酸イマチニブ400 mg/dayの連日投与を開始した.大きな副作用も無く30日間連日投与を行ったところ,著明な腫瘍径の縮小を見た.2003年11月,腫瘤摘出術を施行したところ,病理組織学的に小腸GISTの再発と考えられた.
索引用語
gastrointestinal stromal tumor, Imatinib Mesylate, neoadjuvant chemotherapy
日消外会誌 37: 1766-1770, 2004
別刷請求先
湊 栄治 〒647-0072 新宮市蜂伏18-7 新宮市立医療センター外科
受理年月日
2004年4月28日
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