症例報告
化学放射線療法が著効したB-cell食道悪性リンパ腫の1例
今井 一博, 本山 悟, 斎藤 礼次郎, 奥山 学, 今野 広志, 中川 拓, 提嶋 眞人*, 小川 純一
秋田大学医学部外科, 同 病理部*
症例は42歳の男性で,つかえ感を主訴に受診し,上部消化管造影および内視鏡検査にて胸部中部食道に長径4 cmの全周性狭窄を認めたが,粘膜病変は見られなかった.CTで腫瘍は左主気管支,下行大動脈に浸潤し,悪性腫瘍が示唆された.2度の消化管内視鏡下生検で確定診断をえられず,胸腔鏡下腫瘍生検術を施行した.その結果,びまん性B細胞リンパ腫と診断された.化学(CHOP療法)および放射線(40 Gy)療法を施行し,完全寛解をえた.治療後3年経過したが,再発を認めていない.確定病理診断の下,化学放射線療法で3年の完全寛解をえた食道原発悪性リンパ腫の1例を報告した.
索引用語
malignant lymphoma, esophagus, chemo-radiation therapy
日消外会誌 37: 1819-1822, 2004
別刷請求先
今井 一博 〒010-8543 秋田市本道1-1-1 秋田大学医学部外科
受理年月日
2004年6月30日
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