症例報告
手術後のImatinib Mesilate(STI 571)投与により良好に経過した多発肝転移を伴う十二指腸原発GISTの1例
前田 好章, 本間 重紀, 近藤 正男, 佐藤 裕二, 藤堂 省
北海道大学消化器外科・一般外科
症例は48歳の男性で,立ち眩み,息切れ,左上腹部痛を主訴に受診し,腹部超音波検査およびCTにて左上腹部腫瘤および多発肝腫瘤を指摘された.消化管内視鏡検査にて十二指腸水平部に不整形に隆起性病変をみとめ,同部位の生検にてc-kit陽性の紡錘形細胞がみられ,十二指腸原発GIST,多発肝転移と診断した.十二指腸空腸部分切除,結腸合併切除,肝部分切除術施行した.術後経過は良好で,退院時よりImatinib mesilate(STI571)400 mg/dayを投与開始した.術後12か月経過し再発を認めず,外来通院中である.転移を有するGISTであっても,手術とImatinib mesilate投与により良好な予後が期待できる可能性が示唆された.
索引用語
GIST, duodenum, STI571
別刷請求先
前田 好章 〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学消化器外科・一般外科
受理年月日
2004年6月30日
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