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第39巻 第11号 2006年11月 [目次] [全文 ( PDF 737KB)]
症例報告

アミロイド沈着を伴う脾炎症性筋線維芽細胞腫瘍の1例

山中 秀高, 小野 要, 佐藤 達郎, 飯田 有二, 神谷 諭

犬山中央病院外科

 炎症性筋線維芽細胞腫瘍(inflammatory myofibroblastic tumor;以下,IMTと略記)は,筋線維芽細胞の増生と炎症細胞浸潤からなる腫瘤性病変で,肺の炎症性偽腫瘍の検討から発見され,身体のあらゆる部位に発生することが明らかになったが,その本質が炎症性か腫瘍性かで論議されている.今回,我々は脾IMTの1例を経験したので報告する.症例は32歳の女性で,腹痛で受診した.血液検査で白血球増加と貧血を認め,腹部単純X-P,US,CT,MRI,血管造影検査で脾腫瘍と診断され脾摘出術を施行した.摘出標本でアミロイド沈着を伴う脾IMTと診断された.術後,白血球数,貧血は改善し,1年10か月の現在,再発の徴はない.自験例は本邦報告2例目の脾原発例で,さらにアミロイド沈着を伴う症例は今までに報告がなく,極めてまれと思われた.また,ALK-1陰性で,AA-typeのアミロイド沈着であり,炎症性病変を示唆するものであった.

索引用語
splenic inflammatory myofibroblastic tumor, AA-type amyloid

日消外会誌 39: 1695-1700, 2006

別刷請求先
山中 秀高 〒484-8511 犬山市五郎丸二夕子塚6 犬山中央病院外科

受理年月日
2006年3月22日

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