上衣腫を伴った成人仙骨前奇形腫の1例

小林　靖幸, 木村　政人, 大場　宗徳, 戸田　央

聖隷浜松病院大腸肛門科

　症例は26歳の女性で，出生時より尾骨部の嚢胞性腫瘤を指摘されていたが放置していた．平成12年9月，MRIで仙骨前腫瘍を指摘され当院紹介された．仙骨前面に10 cm大の一部充実部を伴う嚢胞性腫瘤を認め，奇形腫の疑いにて尾骨を含めて腫瘤の完全切除を行った．病理組織学的検査では嚢胞部は成熟奇形腫で，充実部は上衣腫であり，双方に悪性所見は認めなかった．成人における仙骨前奇形腫はまれである．また，自験例のように腫瘤として上衣腫を伴った報告は見られず，臨床病理組織学的考察を加え報告する．

索引用語
sacrococcygeal tumor, teratoma, ependymoma

別刷請求先
小林　靖幸　〒430-8558　浜松市住吉2-12-12　聖隷浜松病院大腸肛門科

受理年月日
2006年11月22日

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