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第41巻 第9号 2008年9月 [目次] [全文 ( PDF 526KB)]
原著

重症急性膵炎における予後判定因子の性差

安田 武生, 上田 隆, 竹山 宜典, 新関 亮, 沢 秀博, 中島 高広, 松本 逸平, 味木 徹夫, 具 英成, 黒田 嘉和

神戸大学大学院外科, 近畿大学医学部外科・肝胆膵部門

 はじめに:性別によって侵襲に対する反応性や臨床転帰が異なることが注目されている.今回,重症急性膵炎における性差を検討し,男女別に入院時予後判定因子を解析した.方法:厚生労働省重症度判定基準による重症急性膵炎自験例146例(男108,女38)を男女間で比較検討し,男女別に入院時検査成績において生存群と死亡群の間で有意差のある因子を検索した.結果:年齢は女性が有意に高く,成因は男性でアルコール性,女性で胆石性と特発性が有意に多かった.男女間で入院治療経過に差はなかった.男性における入院時予後判定因子はBE,BUN,Cr,Ca,BS,LDH,AST,PT,T-Bil,PaO2であり,女性における入院時予後判定因子はリンパ球数,BUN,Crであった.特に,BE(mEq/L)は男性では生存群の-0.8±0.8 mEq/Lに対し死亡群で-7.1±1.2 mEq/Lと有意に低かったが(P<0.001),女性では差は認めなかった.リンパ球数(/mm3)は男性では差は認めなかったが,女性では生存群の1,101±211/mm3に対し死亡群で539±74/mm3と有意に低かった(P=0.03).考察:重症急性膵炎において性別により入院時予後判定因子が異なることが明らかとなり,BUN,Crは性差のない予後判定因子,BEは男性特有の予後判定因子,リンパ球数は女性特有の予後判定因子である可能性が示唆された.

索引用語
severe acute pancreatitis, prognostic factor, gender difference

日消外会誌 41: 1669-1676, 2008

別刷請求先
安田 武生 〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2 近畿大学医学部外科・肝胆膵部門

受理年月日
2008年2月20日

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