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第41巻 第11号 2008年11月 [目次] [全文 ( PDF 631KB)]
症例報告

胃顆粒細胞腫の2切除例

佐野 浩一郎, 新名 一郎, 日高 秀樹, 前原 直樹, 長池 幸樹, 内山 周一郎, 佛坂 正幸, 丸塚 浩助1), 秋山 裕2), 千々岩 一男

宮崎大学医学部外科学講座腫瘍機能制御外科学, 同 附属病院病理部1), 同 病理学講座腫瘍・再生病態学分野2)

 極めてまれな胃原発顆粒細胞腫の2切除例を経験したので報告する.症例1は40歳の男性で,主訴は胃検診での異常.内視鏡検査で胃底部大彎側に直径約1.5 cm大の大臼歯様の粘膜下腫瘍を認め,生検で顆粒細胞腫と診断された.悪性が否定できないため腹腔鏡下胃楔状切除術を施行した.症例2は42歳の女性で,主訴は心窩部痛.内視鏡検査で胃体下部小彎側に直径約1.5 cm大の粘膜下腫瘍を認めた.カルチノイドを否定できなかったため小開腹下胃楔状切除術を施行した.切除標本の病理組織学的検査所見では2症例とも腫瘍は粘膜下層に存在し,細胞質内に小胞巣や束状構造を伴う明瞭な顆粒を有し,これらの細胞質内顆粒はPAS陽性,免疫組織染色でS-100蛋白陽性で,顆粒細胞腫と診断した.本邦報告例は自験2例を含め34例とまれな疾患であり,文献的考察を加え報告する.

索引用語
granular cell tumor, stomach

日消外会誌 41: 1916-1920, 2008

別刷請求先
千々岩一男 〒889-1692 宮崎郡清武町大字木原5200 宮崎大学医学部外科学講座腫瘍機能制御外科

受理年月日
2008年5月21日

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