症例報告
腸回転異常による腸軸捻転症を伴った閉鎖孔ヘルニアの1例
高原 善博, 大塚 恭寛, 小笠原 猛, 高橋 誠
社会保険船橋中央病院外科
症例は76歳の女性で,腹痛・嘔吐を主訴に平成20年1月下旬,当院を受診した.CTにて右閉鎖孔ヘルニアの診断,術前イレウス管挿入にて腸回転異常の疑いとなり,緊急手術を施行.開腹所見では,時計回りに360度回転した小腸とRichter型の回腸陥入ヘルニアを認めた.消化管穿孔および小腸壊死は認めず,閉鎖孔閉鎖および予防的虫垂切除を施行した.術後経過は良好で,術後9日目に軽快退院となった.閉鎖孔ヘルニアと腸回転異常による腸軸捻転を同時に発症したまれな1例を経験したので文献的考察を交えて報告する.
索引用語
volvulus, obturator hernia, malrotation
別刷請求先
高原 善博 〒260-8677 千葉市中央区亥鼻1-8-1 千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
受理年月日
2008年9月24日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|