Wilson病に合併した胆管細胞癌の1例

齋藤　智明, 渡邉　学, 田中　英則, 浅井　浩司, 大沢　晃弘, 松清　大, 草地　信也, 長尾　二郎, 高橋　啓^1）, 清水　教一^2）

東邦大学医療センター大橋病院第3外科, 同　病院病理^1）, 同　第2小児科^2）

　39歳の男性で，11歳よりWilson病（以下，WD）の診断にて内服加療（銅キレート薬）していた．39歳時，肝S8に40 mm大の腫瘍性病変を認め，精査加療目的にて入院となった．各種画像検査を施行後，経皮的針生検を施行し，高分化型腺癌と診断された．経皮経肝門脈塞栓術を施行した後に肝右葉切除術，リンパ節郭清術を施行した．最終病理組織学的診断は腫瘤形成型の中分化型胆管細胞癌であった．WDに合併した胆管細胞癌の発生は非常にまれであり，若干の文献的考察を加え報告する．

索引用語
Wilson's disease, hepatocellular carcinoma, cholangiocellular carcinoma

別刷請求先
齋藤　智明　〒153-8515　目黒区大橋2-17-6　東邦大学医療センター大橋病院第3外科

受理年月日
2009年2月18日

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です