症例報告
術前に二重濾過血漿分離交換法を施行した胃癌,直腸癌合併リンパ形質細胞性リンパ腫の1例
草間 啓, 袖山 治嗣, 町田 泰一, 西尾 秋人, 中田 伸司
長野赤十字病院外科
リンパ形質細胞性リンパ腫の全身検索中に発見された胃癌,直腸癌の重複癌の1例を経験したので報告する.症例は71歳の男性で,下腿浮腫,労作時の息切れを主訴に近医受診し,血液検査所見からIgM-Mタンパク血症を指摘された.全身検索のために施行された上部消化管内視鏡検査で胃体部小彎に胃癌を認め,また下部消化管内視鏡検査では直腸Rsに全周性の2型病変を指摘され,精査加療目的にて当院紹介となった.骨髄生検でリンパ形質細胞性リンパ腫と診断され,眼底検査所見で過粘調症候群を呈していたことから,術前に二重濾過血漿分離交換法を行い,胃全摘術,低位前方切除術を施行した.術後経過に問題はなく,第22病日に退院した.1か月後よりrituximab療法を8コース施行し,partial responseを維持し,外来通院中である.
索引用語
lymphoplasmacytic lymphoma, double filtration plasmapheresis, rituximab
別刷請求先
草間 啓 〒380-8582 長野市若里5-22-1 長野赤十字病院
受理年月日
2009年6月18日
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