症例報告
20年の経過で局所再発を来した膵solid-pseudopapillary neoplasmの1切除例
間下 直樹, 越川 克己, 谷口 健次, 望月 能成, 横山 裕之, 末永 裕之, 桑原 恭子*
小牧市民病院外科, 同 病理*
症例は32歳の女性で,12歳時に他院にて膵腫瘍に対して腫瘍核出術を施行され,病理組織学的診断はsolid-pseudopapillary neoplasm(以下,SPN)であった.29歳時より腹痛を認め,精査の結果膵頭部の嚢胞内出血を伴った仮性嚢胞と診断,経過観察されていた.31歳時の腹部CTで充実性部分の増大が考えられた.また,体尾部は存在せず欠損症または脂肪変性が考えられた.EUS下に腫瘍生検を施行,SPNと診断されたため,十二指腸を温存して腫瘍核出術を施行した.病理組織学的検査所見は小型類円形の核,好酸性の胞体をもつ細胞が充実性あるいは偽乳頭状に増生しており,免疫染色検査ではNSE,ビメンチン,PgR,シナプトフィジン陽性であった.術前の腫瘍生検と同様にSPNと診断され,20年前の膵腫瘍と同一であった.長期間の経過で局所再発を来したSPNの1切除例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
索引用語
solid pseudopapillary pancreatic neoplasm, recurrence
別刷請求先
間下 直樹 〒485-8520 小牧市常普請1-20 小牧市民病院外科
受理年月日
2010年1月27日
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