食道がん

食道がんは食道の内側の粘膜から発生し,外側に向かって大きくなります.すると,がん細胞は食道のまわりのリンパ節に転移しやすくなります.この段階までは手術が行われます.がん細胞が食道の周りの血管や気管などに及んだり,肺や肝臓に転移すると手術以外の治療が行われます.

胸部の食道がんに対する食道亜全摘術・胃管再建術

手術はがんを含めた食道と転移しやすいリンパ節を一緒に取り除く治療です.通常は右側の胸を開け,胸の中の食道と周囲のリンパ節を取り除きます.

 次に腹を開けて転移しやすいリンパ節を取り除きます.食べ物が通る道として通常は胃を管状(胃管)にして食道の代用とします.

 この胃管を首まで持ち上げ,残っている首の食道とつなぎます.患者の状態に応じて胃管を通す経路(胸壁前,胸骨後,後縦隔)を選択します.