原著
消化器外科領域における各種外科用メスの比較検討―特にCUSAとの比較を中心として―
加辺 純雄, 大崎 裕子, 三村 一夫, 平出 星夫, 黒川 胤臣, 寺島 肇, 溝口 修身, 田巻 国義, 初瀬 一夫, 竹村 克二, 岩佐 博
防衛医科大学校第1外科
白色家兎10羽,雑種成犬5頭の肝臓ならびに脾臓を,各種メスを用い部分切除を行い,その切断面を光顕ならびに走査電顕的に比較し,出血量との関係をみた.CUSAではレーザーや電気メスに比し,切除面の組織の変性は著しく少なく,一般外科メスに近い.レーザーメスはこれに次ぎ,電気メスでは組織の変性が最も著明であった.出血量を比較すると,外科メスが最も多く,次いでレーザーメス,電気メスの順であり,CUSAはレーザーメスとほぼ同様であった.臨床では,肝転移,脾臓出血,皮膚転移にCUSAを使用し良好な結果を得た.以上の実験ならびに若干の臨床経験より,肝臓ならびに脾臓外科領域において,CUSAは有用なものと考えられる.
索引用語
外科用超音波吸引法, レーザーメス
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