症例報告
Mitomycin C,OK-432,Lentinan投与により術後肝転移の消失したH3胃癌症例
鈴木 偉一, 斉藤 真悟, 岩川 和秀, 河田 直海, 篠原 洋伸, 船津 隆*, 小林 展章**
町立津島病院外科, 同 内科*, 愛媛大学医学部第1外科**
肉眼的には3型で,S2,N3,P0,H3であった進行胃癌の60歳の男性に対し,原発巣切除のみを行い閉腹時mitomycin C(MMC),OK-432を腹腔内投与し術後MMC静注,OK-432皮内注,レンチナン点滴静注を施行した.術前に造影computed tomography(CT)で肝転移と思われた肝両葉のlow density areaは,術後4か月後のCTで画像上認められなくなった.患者はその後2年5か月経過した現在もクレスチンの内服のみで元気に外来通院しており,再発の兆候は全く認めていない.本邦におけるH3胃癌症例で2年以上の長期生存例は,われわれが検索した範囲内では自験例を含めてわずかに6例の報告をみるのみであった.術後経過より免疫化学療法が著効したと思われる.
索引用語
liver metastasis of gastric cancer, chemoimmunotherapy
日消外会誌 25: 1076-1080, 1992
別刷請求先
鈴木 偉一 〒798-33 愛媛県北宇和郡津島町大字高田丙15 町立津島病院外科
受理年月日
1991年12月10日
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