症例報告
Mucosal bridgeを伴ったMenetrier病の1例
岡田 憲幸, 花木 宏治, 木本 秀治, 川口 義弥, 河本 和幸, 阿曽沼 克弘, 伊藤 雅, 吉田 泰夫, 記井 英治, 河野 幸裕, 小笠原 敬三, 高三 秀成
倉敷中央病院外科
脳回様に肥厚した胃巨大皺壁症に多発潰瘍とmucosal bridgeを伴ったMenetrier病の1症例を報告した.症例は74歳女性.嘔吐,低栄養をきたし来院.胃透視で,壁の硬化不整,憩室様バリウム貯留を認め,胃内視鏡検査にて多発潰瘍を伴う胃炎と診断されたが,scirrhous型胃癌を否定できず胃全摘術を施行した.切除標本では胃大彎側ほぼ全体を占める巨大皺壁のあいだに浅在性潰瘍が多発しており,多数のmucosal bridgeを形成していた.組織学的にbridge表面の粘膜は胃底腺,底部は瘢痕と幽門腺からなり,肥厚性胃炎に生じた下掘れ潰瘍がmucosal bridgeの形成に関与していると考えられた.
索引用語
mucosal bridge, Menetrier disease, hypertrophic gastritis
日消外会誌 25: 2789-2793, 1992
別刷請求先
岡田 憲幸 〒710 倉敷市美和1-1-1 倉敷中央病院外科
受理年月日
1992年6月17日
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