
消化器外科医を選んだ理由は?
もともと学生時代は脳神経外科を第一志望に考えていました.ただ,初期研修で脳神経外科と消化器外科の両方をローテーションする中で,消化器外科の魅力を強く感じるようになりました.一番大きかったのは,手術によってがんが治る可能性があること,そして食べられなかった患者さんが再び食事を楽しめるようになることです.また,手術だけではなく,術前から術後まで長く患者さんに関わり続けられる点にも魅力を感じていくようになりました.研修中に,閉塞性大腸癌の患者さんの開腹手術を執刀させていただく機会がありました.手術自体がとても楽しかったことはもちろんですが,術後に患者さんの様子を見に行ったとき,「これまでは癌もあって食べられなくて目が覚めるたびに少し暗い気持ちだったんだけど,こんなにすがすがしく目が覚めたの久しぶりだ,また食べられるようになって本当にうれしい.先生の手は素晴らしい手だね.本当にありがとう.」とおっしゃっていただけました.その経験を通して,手術によって患者さんの人生や日常を取り戻すお手伝いができることに大きなやりがいを感じ,「自分は消化器外科医になりたい」と決心しました.
今,熱中しているもの
手術です.がん研では,定型手術から骨盤内臓全摘や局所再発直腸癌に対する拡大手術まで,本当に幅広い手術を経験できる環境があります.定型手術では膜一枚にこだわる手術を,拡大手術では深い解剖学的知識をもとに,繊細さが求められる場面と大胆に攻めるべき場面を見極めながら手術を進めていきます.手術ごと,症例ごとに求められる技術や考え方があります.解剖も,手術も,知れば知るほど奥深く,その魅力にはまっていきます.

消化器外科医の日々・プライベートについて
手術や診療に全力で向き合う一方で,休めるときはしっかり休むことも大切にしています.猫を2匹飼っているので,家に帰ってからや週末は猫に癒されています.旅行も趣味で,週末は映画を観たり,友人と遠方へ出かけたりしてリフレッシュしています.また,海外にも興味があるため,国際学会には積極的に参加しています.学会で最新の知見に触れ,世界中の外科医と交流できることは大きな刺激になりますし,現地の文化や街並みに触れることも楽しみの一つです.仕事と旅行を組み合わせることで,日々のモチベーションにもつながっています.当科は週末の当番医・オンコール体制が整っているため,オンとオフのメリハリをつけながら,充実した毎日を過ごしています.


学生・研修医の皆さんへメッセージ!!
消化器外科は,がん治療だけでなく,炎症性疾患に対する緊急手術もあり,対象となる臓器も食道・胃・大腸・肝胆膵と非常に幅広い分野です.また,手術だけでなく,化学療法や放射線療法を組み合わせた集学的治療も進歩しており,日々新しい知識や技術を学ぶことができます.消化器外科の魅力の一つは,チームで診療に取り組むことだと思います.皆で一つの手術を行い,術後の経過を見守り,より良い手術について語り合う.そうした強い「チーム感」があり,仲間とともに患者さんを支えていく楽しさがあります.何より,手術をやり遂げたときの達成感や,患者さんが元気になっていく姿を見られることは,大きなやりがいです.一方で,手術をすればするほど新たな課題や発見があり,学びに終わりがないことも,この仕事の面白さだと思います.少しでも「面白そう」「やってみたい」という気持ちがあれば,ぜひ一度,消化器外科の世界に触れてみてください.一緒に手術について語り,悩み,成長していける仲間が増えることを楽しみにしています.


