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消化器外科医の働き方

県立中央病院勤務 卒後12年目

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県立中央病院勤務
卒後12年目
(2022年時点)

 私は現在卒後12年目の消化器外科医であり、妻は卒後13年目の消化器外科医です。小学3年生の長男と年長の次男がいます。資格に関しては消化器外科専門医、内視鏡技術認定医など一通り取得しましたが、妻は途中乳腺外科を志していた他、産休育休があったため、資格取得はやや遅れ気味です。

 私たちは二人で同じ医局に属しておりますが、私はオンコールや日当直含めてすべて通常通り行い、妻は子供の送迎などのため、フルタイム勤務ですが基本的には時間外勤務免除、日当直は月1回程度という条件で勤務しています。妻の勤務先は隣県であるため、毎日車で1時間程度の病院に勤務しており、保育園の迎え時間ぎりぎりまで働けるように、妻の病院の近くの保育園に下の子は通っています。上の子は小学校まではバスで通学しており、最近は一人で帰ってきて家で留守番できるようになってきたところです。祖父母は県内にはいないので、自分たちではどうしようもないときはときどき手伝ってもらいますが、基本私たちだけでなんとかしている状況です。

 妻は朝5時過ぎに起床し子供の弁当作りや子供の朝食準備、私は5時半くらいに起床して洗濯物畳みと風呂掃除、ごみの日はごみ捨てを担当しています。私は帰りが夜遅くなることも多いですが、早めに帰れるときは帰って妻と家事を分担して行っています。休みの日は私が夕飯作りの担当で、妻は平日の夕飯のための作り置きをしたりしています。二人とも消化器外科医であるため多忙な日々ではありますが、家でもよく手術の話をしますし、二人でお互いの手術ビデオを見たり、縫合トレーニングをしたりと、忙しいながらもお互いを高めあえる関係であると思っています。ただ、妻も外科医としてどんどん頑張っていきたいという意識が高いながら勤務できる時間に限界があるため、手術数が多く忙しい病院に配属されることがなく経験が思うように積めないことにもどかしい思いをしています。

 女性消化器外科医が増えてきている今、女性外科医支援だけではなく、どんな医師もある程度平等に働けるような意識改革や勤務環境整備を進めることが差し迫った課題だと思います。そういった環境を整えられない医局や病院は、女性外科医が入局しても育成できず結果的に人員不足となって、いずれ自分たちの首をしめることになりかねません。また組織が環境を変えることに前向きだとしても、実際のロールモデルなり実現可能な例がなければ具体的に状況は変わらず、机上の空論のままとなる可能性があります。委員会や、実際の病院からの成功例を組織のロールモデルとして報告されることが期待されます。まずは個人の1例として私の今の働き方を提示しました。どなたかの参考になりますと幸いです。

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