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消化器外科医の働き方

大学病院勤務 卒後17年目

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大学病院勤務
卒後17年目
(2022年時点)

 私は現在、2児(3歳、7歳)を子育て中です。卒後3年目に入局し、最初の4年間は関連病院で勤務、卒後6年目に外科専門医を取得しました。帰局後、下部消化管外科医としての道を歩み始め、卒後9年目に第1子を出産、子供が少し大きくなった時点で、消化器外科専門医(卒後12年目)を取得しました。専門医試験の前日に子供が発熱するハプニングがありましたが、なんとか、試験会場に行くことができました。第2子妊娠中に学位を取得、卒後16年目に外科指導医、今年で大学病院勤務10年目、消化器外科指導医を取得しました。

 仕事復帰は、第1子は1歳1ヶ月、第2子は0歳9ヶ月の時でした。第1子出産後、認可保育園に入れなかったこと等あり、職場の保育所(子供の名前が決まった時点ですぐに申し込み)の空きを待って仕事復帰をしました。復帰後は、時間外労働・日当直・夜間休日の緊急呼び出しの免除、子供の急病時の休暇が取得できるように配慮していただきました。朝の病棟回診やカンファレンスなどは参加できませんが、子供が大きくなるにつれて、帰宅時間を少しずつ延長し、夕方のカンファレンスや時間外に延長した手術に参加できるようになってきました。子連れで学会現地参加は、現地までの移動中の過ごし方や荷物の準備、ホテルの予約、子供の食事や子供の過ごす場所をどうするか等、悩ましい点も多いですが、最近は、ハイブリッド開催のおかげで学会参加できる回数が増えました。近くに助けてくれる両親がいないため、夫婦でお互いに協力し合い、有事に対応、家事育児全般を分担できるようになりました。5年前に院内病児保育施設ができ、仕事を休む回数も大幅に減りました。今年、子育て中の職員の声をもとに、大学に長期休暇中の学童保育が開設されることになりました。

 結婚前は、仕事中心の生活でしたが、休日の仕事終わりにランチやお買い物に出かけたり、ふと旅行に行ったり、また、学会参加時は、観光地をめぐり、美味しいものを食べる楽しみもありました。しかし、出産後はこれまでとは生活が大きく変わり、ママ>外科医(>妻)という状況です。1日24時間という限られた時間の中で、「人はなぜ寝ないと生きられないのか」と思ってしまうことが多々ありました。しかし、「医師の代わりはいても、親の代わりはいない」、「家庭を犠牲にしてまでしなければならない仕事はない」、「ママが倒れて一番困るのは子供だよ」、「子育てという仕事は尊い仕事である」という人生の先輩方の言葉を胸に、職場や家庭における今の自分の状況を見つめ、たとえ、他の外科医がすぐに成し遂げることを、自分はその何倍も時間がかかったとしても、「自分ができること、やらなければならないこと」を見失わず、少しずつでも前進していくことができればいいかな、と思っています。自分の成長も大切ですが、今は、自分の子供に生まれてきてくれた子供達に感謝し、子供達の成長を見守っていきたいと思います。心が折れそうな大変な時もありましたが、産み育ててくれた両親をはじめ、心温まるサポートをしてくださった上司や後輩、その他多くの方々のおかげで今日があり、感謝の気持ちでいっぱいです。また、良き理解者である夫も大きな支えです。これからもまだまだ子育て期が続きますので、よろしくお願いいたします。

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