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消化器外科医の働き方

診療所勤務
藤川 善子 先生

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藤川 善子 先生
診療所勤務
藤川 善子 先生
卒後15年目
(2022年時点)

回り道でさえも、全てを人生の糧にして 大好きな消化器外科と共に

 私は現在卒後15年目です。卒後3年目に第1子を出産したため、早くから子育てと仕事を同時進行していた状態でした。外科の仕事が大好きで、3人出産していますが、育休は取得していません。大学病院勤務中の外科専門医の面接試験を受ける年に、子宮外妊娠での病気休暇と、第2子の妊娠がありました。自分自身の代わりはいないのだ、と痛感した出来事でした。そのため、周囲が子供優先に、という流れの中で手術から外れることになりました。
 専門としたかったのは下部消化管外科でした。消化器外科専門医に必要な症例が足りず、業績はありましたが取得はかないませんでした。それでも臨床を続けて行きたい気持ちが強く、消化器内科の勤務を通して、上下部内視鏡の技術を習得し、現在は外科の立場を考えた紹介ができるように心がけています。また、肛門診療も行い、女性の患者様の受診の負担を少しでも減らせたらと思っています。
 第3子出産後に、再度外科常勤に復帰をしたのですが、主治医制度や休日出勤があり、心身ともに限界を感じ、退職をしています。
 その後、仕事を継続するために、産業医の資格があったので、大手企業の産業医業務を行っていました。外科医の勤務実態は一般企業から考えると大変な状況であることを痛感しています。

 最近、中学生になった娘が外科医になりたいと言ってくれるようになり、一度は離れた外科の分野を、支える立場になってみたいと思いました。ここ数年は、男性の医局の同僚が退職することも増え、仲間がいなくなるのをとても寂しく感じています。各種学会に参加し、いろいろな先生方と関わらせていただくことが増え、腹腔鏡の技術を再度覚え直しているところです。また、新たな挑戦として、美容外科の勉強中です。
 消化器外科で学んだことは、現在の私の診療の幅をとても広いものにしてくれました。何年経っても、消化器外科が大好きなことは変わりありません。これからも消化器外科の勉強をしながら、多様な働き方をご提案できたらと思っています。

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