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消化器外科医の働き方

いの町立国民健康保険仁淀病院
志賀 舞 先生

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志賀 舞 先生
いの町立国民健康保険仁淀病院
志賀 舞 先生
卒後17年目
(2022年時点)

町立病院で地域包括ケアを実践

 現在卒後17年目で、町立病院の副院長として勤務しています。
 私は初期研修医2年目で出産をし、育休はとらずに産後2か月で実父の手を借りて初期研修を再開しました。初期研修終了後は、消化器外科の医局に所属しパートタイムで勤務を継続しました。この年に第二子を妊娠し、安定した身分を求めて、現在勤めている町立病院に外科医として勤務を始めました。産前産後で16週の休業、その後5カ月の育児休業を取得し職場に復帰しました。この病院では私の復帰の際に時短勤務の規定ができ、以後看護師など他の職種の方も同じ制度を利用しています。
 下の子が2歳を超えたころ、育児が少し楽になったので、外科専門医および学位の取得を目指して大学病院での勤務を開始しました。大学病院は各領域の専門家がそろっていて、先進的な手術や研究に取り組んでおり、ガイドラインや新規治療の情報が次々と流れ込んでくることが刺激的でした。この頃は週に2回当直を行っていましたが、自宅では子どもの世話に追われるため、当直の方が息抜きでした。
 無事に外科専門医を取得し博士課程を修了し、次は執刀技術を高めるため手術症例の多い県立病院に勤務することにしました。ここは自宅から離れていたため、週末のみ自宅に帰る単身赴任の形で勤務を始めました。ここで私は初めて平日の育児から解放されて、当直・超勤し放題、手術し放題という幸せな時間を手にしました。緊急も含めて毎日手術があり、うち週に2件ほど執刀の機会を頂き、密度の濃い経験となりました。ここで勤務を始めて3か月で、第三子を妊娠しました。上司も同僚もとても好意的で、執刀も手術も続けることができましたが、超過勤務と当直は制限することにしました。もともと単身赴任は1年の予定でしたが、出産のため実質8カ月の勤務となってしまいました。
 産休後より現在の病院に移り4カ月の育児休業を取得後、復帰し現在に至ります。現在は医師不足により大手術はできておりませんが、住民のニーズに応じた地域包括ケアを実践できることにやりがいを感じています。化学療法、緩和ケア、ターミナルケア、胃瘻の管理などにおいて、消化器外科の知識が役立っています。急性期の全身状態の評価、管理がバランスよくできる消化器外科医は、即戦力として活躍できます。また、管理職として、医療安全管理、感染対策、ハラスメント対策、災害対策なども行っています。

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