第78回日本消化器外科学会総会
会長 袴田 健一
弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座 教授
この度,第78回日本消化器外科学会総会会長を拝命し,2023年7月12日(水),13日(木),14日(金)に函館市において学術集会を開催させていただくこととなりました.私どもの教室では,故大内清太先生が第12回総会(1978年弘前市),故小野慶一先生が第28回総会(1986年青森市)を開催させていただきましたので,実に37年ぶり,3回目となります.歴史と伝統ある本学会総会を再びに担わせていただくことを大変光栄に存じますし,責任の重さに身の引き締まる思いでおります.まずは,このような貴重な機会をお与えいただいた会員の皆様に心より感謝申し上げます.
さて,今回の総会のテーマは「Harmony across boundaries. Challenges beyond borders.」といたしました.社会環境が大きく変化し,科学技術が急速に発達する中で,これからの消化器外科診療の発展には領域,境界を超えて多くの叡智を集め,協調することが必須ですし,絶え間ない挑戦と世界に向けた発信が必要との想いを込めました.
日本消化器外科学会は約2万人を要する大きな学会です.施設は,最先端の大規模手術施設から地域医療の第一線を担う医療機関まで多様です.会員も,新入会員,若手,中堅,ベテラン,女性,共働き医師,さらには研究医,総合医と実に多様です.第78回総会では,背景の異なる全ての会員がそれぞれに輝くcolorful teamとして消化器外科診療の一層の充実を図り,現在の課題を克服するためのinnovation創出を促進し,私たちが抱える社会的課題を解決する多くのchallengesの契機となるよう,多様な視点でのプログラム編成を心がけました.今回の学術集会が消化器外科診療全体の発展に大いに役立つことを期待しております.
現在,社会を構成する全ての個人,組織に「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」への取り組みが求められています.第78回総会では,3つの重点項目としてColorful team(多様性の底力), Innovation(技術革新を通じた持続的発展), Co-prosperity(地域社会との共栄)を掲げ,参加される会員,企業,地域の皆様のご理解とご協力を得ながら,SDGsを推進してまいります.
7月の函館は,他では味わうことができないほど清々しい季節を迎えています.他では味わうことができないほどの食の楽園でもあります.また,本州と北海道との接点であり,江戸から明治への歴史的境界の街,日本から世界に開かれた港を有する街で,複数の文化が融合し,歴史的な建造物を多く有する情緒豊かで風光明媚な街です.絶えず協調と挑戦が繰り返されてきた境界の街で,本学会のテーマにぴったりだと感じています.私たちの教室は,歴史的に函館市との繋がりが深く,多くの教室員は函館市内の複数の関連病院での勤務経験を有します.皆様をお迎えし,函館を十分にご堪能いただけるよう,そして,2023年の第78回消化器外科学会総会が会員の皆様にとりまして心に残る学会となりますよう誠心誠意準備をしてまいります.
会員の皆様が一人でも多くご参加くださることを,教室員ならびに同門会一同,心よりお待ち申し上げております.何卒よろしくお願い申し上げます.
第78回日本消化器外科学会総会 会長
袴田 健一
弘前大学大学院医学研究科 消化器外科学講座 教授