2023年から消化器外科専門医新規申請時に,日本消化器外科学会総会または大会での筆頭演者としての発表1件が必須となります.
(詳細につきましては本学会Webサイトをご覧ください.)
それに伴い,本学会理事会において,日本消化器外科学会総会で「専攻医セッション(査読有)」を設けることが決まりましたので,本総会から実施することといたしました.
「専攻医セッション」とは,2023年以降の消化器外科専門医新規申請予定者向けのコーナーとなります.演題登録時には,下記にご留意ください.
なお,第75回総会以降も「専攻医セッション」は継続して設ける予定です.
要件を満たす先生方からの演題のご登録をお待ちしております.
■本マークEnglishがあるセッション
英語セッションとなりますので,進行・発表・発表スライドは英語となります.
■本マークEnglishがないセッション
発表スライドは英語ですが,進行・発表は日本語となります.
JSGSプログラム JSGS-Program |
理事長講演
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特別講演 Special Lecture |
特別講演1
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特別講演2
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特別講演3
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特別講演4
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教育講演 Educational Lecture |
教育講演1
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教育講演2
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教育講演3
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招待講演 Invited Lecture English |
招待講演1
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招待講演2
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招待講演3
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招待講演4
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招待講演5
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特別企画 Special Session |
特別企画
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JSGS-SSO English |
JSGS-SSO Joint Symposium English詳細日時:7月17日(水曜日)13時30分~15時30分 司会: 演者: |
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シンポジウム Symposium English (一部日本語) 公募・一部指定 |
―シンポジウム― 1.食道癌術前治療後の効果判定とその後の治療選択 English
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ビデオ シンポジウム Video Symposium English 公募・一部指定 |
1.食道がんに対する内視鏡外科手術の進歩 English
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パネルディスカッション Panel Discussion 公募・一部指定 |
―パネルディスカッション― 1.食道癌手術における再建のbest practice詳細食道癌手術は近年,体腔鏡手術の定型化やロボット手術の導入により比較的安全に施行できるようになった.食道癌手術における再建術は,その成否により術後患者の QOL に直接影響を与えるため,切除術に劣らず重要である.現状では各施設で多様な再建経路や再建臓器の選択,あるいは血行再建術の付加が行われている.本セッションでは,食道再建術における術後短期合併症や消化管機能障害などの長期合併症の問題点を明らかにした上で,再建法に関する各施設の工夫とその根拠を発表していただきたい.
2.胃癌腹膜播種に対する治療戦略詳細進行胃癌の転移再発形式で最も頻度が高い腹膜播種に対する標準治療は全身化学療法であるが,その効果は依然不十分である.腹膜播種に対する治療戦略の一端として腹腔内温熱/化学療法や腹膜亜全摘術など様々な手法が試みられてきたが,近年,タキサン系抗癌剤の腹腔内化学療法を併用した全身化学療法などの新たな試みが行われ,臨床試験の結果が報告されている.また,腹膜播種に対する診断法として,審査腹腔鏡の有用性も示されている.本セッションでは診断法,治療法を含め,各施設における胃癌腹膜播種に対する集学的治療の取り組みとその治療成績をご提示いただき,治療戦略を論じていただきたい.
3.IBDに対する至適手術時期と術式選択詳細生物学的製剤や免疫調節剤の導入により,IBDに対する内科的治療の成績は飛躍的に向上し,寛解から粘膜治癒を目指す時代になった.一方,潰瘍性大腸炎における易再燃例やクローン病における狭窄性病変など,内科的治療では限界のある症例も存在し,適切な外科治療選択時期の判断が重要である.またIBDの外科治療にも様々な低侵襲な手術手技が応用されつつある.本セッションでは,外科治療のタイミング,術後QOLの向上を考えた術式や工夫などにつき,現状の課題と今後の展望を含めてご議論いただきたい.
4.肝移植ハイリスク患者への挑戦詳細本邦における肝移植は2017年末までに9,000例を超え,末期肝不全患者に対する治療としての地位を確立したといえる.これまで,肝移植の適応に関しては,生体あるいは脳死移植片の希少性・貴重性とリスク管理の視点から,肝不全あるいはその合併症の重度進行例や重篤な他臓器疾患合併例においては,肝移植の適応外とされていたハイリスク症例が一定数存在した.一方,手術手技や周術期管理が進歩する中,それらの患者に対して,移植適応が拡大できる可能性がある.本セッションでは,肝移植適応の限界につきご討論いただきたい.
5.Stage 1膵癌の再発から学ぶこと詳細種々の癌種の治療成績が改善する中,Stage I 膵癌の5年生存率は全国調査で41.2%(2017年5月)に留まり,切除後の再発が依然として問題となっている.本セッションでは各施設におけるStage I 膵癌の術後再発例についてその再発パターンや予後,補助治療の影響などをご提示いただき,Stage I 膵癌を根治するための再発予防や再発後の治療などの方策を論じていただきたい.
【ご注意】
※パネルディスカッションの演者選定は登録された抄録の評価をもとに行います.プログラムの概要に提示された論点(病態の定義,治療方針および工夫,治療成績など)を提示してください. 演者間討論を通して一定の見解を導き出すという上記定義を満たすため,抄録内容に沿った発表形式にならないこともあります.
※採否決定後に発表スライドを事前にご提出いただきます. ご提出をいただいた発表スライドをもとにアンサーパッドの設問を作成いたします. |
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ワークショップ Workshop 公募・一部指定 |
―ワークショップ― 1.頸部~頚胸境界部食道癌の治療戦略 詳細頸部食道癌の治療は手術と放射線化学療法が主体となるが,これらの治療成績の優劣に明確なevidenceはなく,さらに根治性と機能温存の双方を考慮しなければならない.頸胸境界部食道癌は至適郭清範囲が明確でなく,咽喉頭摘出や頸部胸部食道全摘を伴う場合もあり,再建が煩雑で手術法の選択に難渋することがあり,依然として施設間で治療法の選択の差異が大きい.耳鼻咽喉科や形成外科との連携手術なども含め,各施設の治療法の選択と問題点,工夫,治療成績などについてご発表いただきたい.
2.切除不能食道癌に対するConversion Surgeryの現状 詳細診断時点では切除不能であっても,化学療法や化学放射線療法の進歩によりR0手術が可能な症例に対してConversion surgeryが選択される場合がある.化学療法の進歩により症例が蓄積されつつあるものの,そのEvidenceは明確ではない.前治療により組織や剥離層が変性をきたすため高度な手術操作を必要としたり,患者自身の消耗により周術期管理に難渋するケースもある.食道癌におけるConversion surgeryの現状に関して対象患者,手術における工夫,周術期合併症,長期予後などを議論していただきたい.
3.切除不能胃癌に対するConversion Surgeryの現状 詳細遠隔転移を伴う進行胃癌の治療は化学療法が基本となるが,その進歩とともにConversion surgeryが行われるケースが増えている.しかしその適応・効果については一定の見解はない.本セッションでは,胃癌におけるConversion surgeryの対象症例,化学療法の種類または他の治療法,術式,手術時期などに関して,各施設で行われている治療法・成績についてご議論いただきたい.
4.切除不能大腸癌に対するConversion Surgeryの現状 詳細切除不能大腸癌では,分子標的薬の併用による化学療法,放射線療法さらには免疫療法などを組み合わせた集学的治療の進歩により,長期予後が期待できるようになった.さらに様々な集学的治療により,切除不能大腸癌を切除可能としたうえで切除するConversion surgeryが近年注目されている.しかしConversion surgery による予後の改善については未だ一定の見解が得られていない.本セッションでは各施設における遠隔転移を含めた切除不能大腸癌に対するConversion surgeryの現状,治療成績についてご議論いただきたい.
5.高度食道裂孔ヘルニアに対する内視鏡外科手術の工夫 詳細AFP分類でA3に分類される混合型・傍食道型食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術は,胃が縦隔内に挙上しているため,横隔食道間膜を切離しても迷走神経前幹の同定が困難なことが多い.さらに,食道がしばしば屈曲・変位しており,前幹のみならず後幹を損傷する可能性がある.また,食道裂孔は大きく開大していることが多く,加齢による組織の脆弱化ならびに亀背による体型の変化などにより滑脱型よりも再発率が高いのが現状である.本セッションでは,術中偶発症を回避するためのコツや,再発を予防するための工夫について論じていただきたい.
6.肥満外科と代謝機能改善 詳細肥満外科手術は,国内では腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を中心に広く行われるようになった.2型糖尿病をはじめとした肥満関連疾患に対し臨床的に著明な改善効果が認められる一方,長期的には効果不十分な報告もある.また現在,腹腔鏡下スリーブバイパス術が先進医療に承認され,より重症の糖尿病患者に対する改善効果が期待されている.本セッションでは各施設で施行した術式における短期および長期的肥満関連疾患の改善効果をご提示いただき,代謝機能改善効果を最大限に発揮できる治療戦略についてご討論いただきたい.
7.消化管GISTに対する術前治療 詳細GISTに対する治療戦略は,Imanitibの出現以降大きく変化を遂げている.リスク分類に沿った術後補助療法の有効性は確立されており,現在議論の中心はその至適投与期間に移りつつある.一方,根治的切除不能もしくは他臓器合併切除を要する症例に対する術前補助療法は,選択肢とはなり得るものの,十分なエビデンスが存在しない.またc-kit遺伝子の解析によりImanitibの効果予測が可能となった.本セッションではGISTの術前治療の対象,治療期間,また術前治療を行った場合の術後治療に関して,各施設における適応や治療経験を論じていただきたい.
8.下部進行直腸癌に対する側方郭清の是非 詳細下部進行直腸癌の国際的な標準術式は直腸間膜切除術 (ME) または全直腸間膜切除術 (TME) である.一方,本邦では側方リンパ節郭清 (LLND) を伴う ME が標準術式となっている.JCOG 0212試験にてStageII,III切除可能直腸癌における側方郭清の非劣性は証明されなかった.この結果からは側方郭清が支持されると考えられるが,全例で側方郭清が必要かに関しては議論の余地があると考えられる.本セッションでは,各施設の下部進行直腸癌に対する側方リンパ節郭清やそれに代わる術前放射線化学療法などの治療成績と,現時点での側方郭清の是非について議論していただきたい.
9.直腸癌術後における肛門機能障害 詳細直腸癌に対する術後肛門機能の評価と肛門機能障害の治療法は確立していない.直腸肛門機能検査法としては,直腸肛門内圧検査,直腸肛門反射検査,直腸感覚検査,排出能力検査,排便造影検査などがある.また肛門機能障害に対する治療としてはバイオフィードバック訓練などの機能訓練や括約筋形成手術,SNM(仙骨神経刺激療法)などの外科的治療が試みられており,いずれも有効性の報告がある.本セッションでは直腸癌術後の肛門機能障害の評価と治療戦略を議論していただきたい.
10.ストーマ造設法と閉鎖法の工夫 詳細ストーマ造設法の標準化を目指して,2014年2月「消化管ストーマ造設の手引き」が発刊された.ストーマ造設法や閉鎖法に関する標準的な方法が記載されており,手術法やストーマケアの手引きとしての役割を果たしている.しかし,実際にはストーマ造設の対象となる患者の高齢化,ストーマ造設を必要とする疾患背景の複雑化などから,各施設で更なる工夫を凝らしていると考える.本セッションでは,これまでの造設法や閉鎖法(ハルトマンリバーサルを含む)における問題点と工夫点に関し議論していただきたい.
11.肝胆膵外科手術におけるNavigation Surgeryの意義と今後の展望 詳細近年,術中センチネルリンパ節生検をはじめとするNavigation Surgeryが実用化され,消化器外科においてもその有用性が広く認められている.肝胆膵外科領域では最新の術前画像解析による術前simulationに加え,ICGを用いた術中の病変同定や脈管解剖の確認を目的としたNavigation Surgeryの有用性が報告されている.本セッションでは肝胆膵外科手術における最新のNavigation Surgeryの経験についてご提示いただき,問題点と今後の展望について論じていただきたい.
12.肝移植と合併症対策 詳細末期肝不全患者に対する肝移植は,手術手技や免疫抑制剤の進歩,周術期管理方法の確立により,その安全性は向上した.しかし,胆管吻合部狭窄,術後早期血栓症,さらにABO血液型不適合移植で特に発生しやすい感染性合併症など,グラフト不全や生命予後にまで影響を与えうる合併症,あるいは長期的な栄養管理など対処すべき課題は未だに多い.本セッションでは,肝移植における種々の合併症につき,各施設の治療成績と対策を討論していただきたい.
13.消化器癌手術におけるERASの有用性 詳細ERASは,術後の早期回復を目指して周術期の各種管理方法を集学的に実施するプロトコールであり,諸外国でガイドラインが作成・ 公表され,普及が進んでいる. わが国でもERASの普及により術後合併症の減少や手術成績の向上が報告されている.本邦にERASが紹介されてから10年以上が経過しており,新たな周術期栄養管理,早期離床,ドレーン管理などについて,先進的な周術期管理プログラムの実践とその効果,あるいはチーム医療としての ERAS への取り組みをご紹介いただきたい.
14.消化器外科術後SSIサーベイランスと多職種連携 詳細周術期の栄養管理や感染対策には病院内での多職種の関与が必要であり,ICT活動も看護師,薬剤師,臨床検査技師,事務職など多職種で構成される事が多い.このような多職種の連携による正確かつ効率の良いSSIサーベイランスの実践や感染対策の工夫・成果についてご報告いただきたい.
15.高度侵襲術後急性期の栄養管理 詳細近年,ERASなどの術後回復促進のための周術期管理プログラムの有効性が明らかにされてきた.周術期管理の改善は術後合併症を減少させ,手術成績を向上させた.一方,食道切除再建術や膵頭十二指腸切除術など高度侵襲術後は術後合併症の発生率が未だ高く,術前の栄養障害が術後合併症の遷延や死亡率と関連することは広く認識されている.今後の高齢患者の増加に伴い,様々な既往症や合併症を有する患者の手術機会が増加し,周術期の栄養管理の重要性がますます高くなると見込まれる.本ワークショップでは,周術期成績向上に向けて高度侵襲術後の栄養管理に関する工夫とその評価につきご発表いただきたい.
16.腎機能障害を有する患者の周術期管理 詳細腎臓は人体における最重要臓器のひとつである.腎と消化器疾患はあまり認知されていないが,腎不全患者では消化管運動異常が広く認められ,胃内容の排出が遅延し,それに起因して嘔気・嘔吐,食思不振が認められる.一方,下部消化管外科でも,消化管運動異常により腹痛,便秘,下痢など様々な消化器症状が惹起されることが知られており,術後麻痺性イレウスの要因にもなり得る.また,腎機能障害は浮腫,肺水腫,電解質・ホルモン異常などをきたしやすく,特に周術期管理に注意を要する.本セッションでは腎機能障害を有する患者の周術期管理の要点について論じていただきたい.
17.腸内細菌叢と外科治療 詳細近年の研究により腸内細菌叢は感染症のみならず癌,代謝性疾患など様々な疾患の発症や治療効果と関連する重要な因子であることが明らかとなってきている.外科領域では周術期の栄養管理,疾患治療の一環としての絶食,周術期の抗菌薬の投与などが腸内細菌叢に影響を与えることが明らかにされつつある.また,高度侵襲を伴う外科手術においてその侵襲により腸内細菌叢が変化し,結果として術後感染性合併症が増加するとの報告もある.本セッションでは,外科治療における腸内細菌叢の変化とその役割,意義について論じていただきたい.
18.Frailな患者に対する消化器外科手術 詳細わが国は2035 年には3人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えるとされており,近年,外科領域でもFrailの概念が注目されている.Frailとは,加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態である.その診断基準として移動能力,筋力,認知機能,栄養状態,バランス能力,持久力,身体活動性,社会性などの複数項目を合わせて評価する場合が多い.Frailな患者に対する外科手術では,術後合併症や在院死が有意に高率であることが報告されている.本セッションでは,各施設におけるFrailな消化器外科手術患者に対する新しい取り組みとその成果につきご発表いただきたい.
19.消化器外科領域の周術期感染症対策 詳細1999年CDCのSSI対策ガイドラインの発表により本邦でも多くの施設において周術期感染対策に関心が寄せられるようになった.近年,日本外科感染症学会,日本化学療法学会から予防的抗菌薬のガイドライン,あるいはCDC,WHO,ACS/SISの新しいSSI対策ガイドラインのupdateが発表され,施設独自の感染対策への取り組みの報告も散見される.各施設における抗菌薬の選択や周術期感染管理に関する新しい取り組みとその成果についてご発表いただきたい.
20.腹壁瘢痕ヘルニアに対するテーラーメイド治療 詳細腹壁瘢痕ヘルニアは,その大きさ,部位,また患者背景など一様ではない.近年,創感染が低率であることもあり,腹腔鏡下修復術が盛んに行われているが,複雑なヘルニア(巨大ヘルニア,メッシュ後再発,複数開腹歴など)に対する手術適応に関しては議論の余地がある.ヘルニアの状況に応じた各施設の治療方針と成績について論じていただきたい.
21.消化器外科手術における輸血の功罪 詳細消化器外科手術では,手術手技,手術器具,周術期管理が発達した今日においても,術中出血や術前全身状態不良による貧血,凝固障害,血小板減少などにより周術期血液製剤使用が不可避な場合がある.一方,悪性疾患治療においては血液製剤使用が免疫低下を惹起し,再発ひいては生命予後の悪化につながるとの報告が多い.また,2016年の診療報酬改定で希釈式自己血輸血が新規収載され,今後の普及が見込まれる.本セッションでは各施設の周術期輸血における方針,工夫,治療成績をご提示いただき,輸血または各血液製剤使用の功罪についてご討論いただきたい.
22.医原性胆道損傷に対する至適アプローチ 詳細胆嚢結石関連疾患に対する腹腔鏡手術は世界的に標準術式として施行されているが,術中胆道損傷は患者の生命予後をも左右しうる重篤な合併症である.手術適応,手術器具,画像診断が発達した今日においても,全国データでの発生率は約0.6%と報告されている.その修復においては,immediate repairとdelayed repair,各損傷形態に対する至適修復法など,controversialな部分も多い.本セッションでは各施設の医原性胆道損傷に対する治療方針,治療成績をご報告いただき,至適アプローチについてご討論いただきたい.
23.消化器外科領域における新規バイオマーカー 詳細近年,消化器癌において様々なバイオマーカーが診断,治療,予後予測において臨床上重要な指標となっている.血液,尿,体液等各種検体中のタンパク質や遺伝子によるバイオマーカーを用いて,治療に必要な正確な診断と詳細な分類,術後再発の迅速な検出,さらには生検や手術標本解析による予後予測および習学的治療の検証など,外科領域においてもバイオマーカーを用いた診断および治療戦略は重要視されるようになった.本セッションでは,新規バイオマーカーの有用性と意義について論じていただきたい.
24.膵癌に対するリンパ節郭清の再考詳細膵癌手術におけるリンパ節郭清についてはリンパ節や神経叢の拡大郭清を伴う拡大手術によって予後が改善されるとする報告がある.一方,これまでのRCTでは積極的な拡大切除による予後の改善は認められず,合併症や在院死亡が多いとの報告もある.またガイドラインでは肉眼根治が得られるような手術が推奨され,徹底した神経叢郭清や大動脈周囲リンパ節を含む広範囲リンパ節郭清の意義はないとされおり,適切なリンパ節郭清については議論の余地がある.本セッションでは各施設にの膵癌手術におけるリンパ節郭清の現状と短期・長期成績を提示していただき,至適なリンパ節郭清について再考し論じていただきたい.
25.若年者の消化器外科手術におけるQOL改善の工夫詳細消化器外科領域において近年の診断技術の向上,内視鏡外科技術の発展及び臨床試験に裏打ちされた医学的根拠によりQOLを重視した低侵襲,縮小手術が普及してきている.しかしながら,外科手術において完全に術前の機能を維持することは不可能である.術後患者のQOLを改善するためには手術による機能低下を最小限に留め,本来もつ機能を可能な限り維持または再建し,術後リハビリテーション等で回復を図ることが重要と考える.特に若年者においてはその重要性が高い.本セッションでは若年者に対しする術後QOLの見地から,各施設における手術手技,周術期管理,栄養指導等の工夫を論じていただきたい.
26.知られていない消化器外科の歴史詳細16-17世紀の欧米では,医学は「内科学」が主流とされ,理容師が外科的処置を行っていた.19世紀以降の麻酔法の確立,消毒薬の開発以降,「外科学」は急速に発展を遂げていった.1950年代には虫垂炎,腸閉塞,消化性潰瘍,胆嚢結石などの良性疾患,1960年代には胃がんなど消化管悪性腫瘍の研究・治療が進み「消化器外科学」として発展・普及し始めた.本セッションでは医学書などに出てこないような,あまり知られていない消化器外科の歴史についてご提示いただきたい.
27.稀な消化器外科の病態とそれに対する対応詳細消化器外科領域において,診断,治療法が確立された病態においては多くのガイドラインが作成され,推奨される治療が広く実践されている.一方,各臓器における発生頻度の低い病態についての診断,治療については十分な知見がなく,標準化が困難な場合も多い.このような稀な病態については診断,治療の問題点や工夫を共有することが今後の診療・研究において重要となると考えられる.本セッションでは各施設で経験した稀な消化器外科の病態とそれに対する対応をある程度まとめてご提示いただき,対応と問題点,課題を検討していただきたい.
28.消化器悪性腫瘍におけるoligometastasisに対する治療戦略詳細Oligometastasisは1995年に提唱された概念で,他臓器に少数個の転移のみを認める状況とされる.これらの転移の中には化学療法に加えて手術,局所療法,放射線療法を用いた集学的治療で長期予後が得られる症例があることが注目されているが,各臓器における明確な治療戦略は未だ明らかでない.本セッションでは予後因子,原発巣の治療適応,転移巣への有用な治療法等を明らかにするため,oligometastasisを伴う消化器悪性腫瘍に対する各施設の治療戦略と成績について提示していただき,今後の展望と課題についてご討議いただきたい.
29.大腸癌原発でない転移性肝癌に対する肝切除の適応と治療成績詳細大腸癌肝転移と(神経)内分泌腫瘍肝転移は,その切除成績が比較的良好であることより切除可能であれば肝切除が適応となる.一方,他の癌種では生物学的特性や腫瘍学的な判断により切除非適応となることが多いが,単発腫瘍,原発巣切除後長期経過後に認めた肝転移症例などに肝切除が行われることがある.しかしながら症例数が限られるため切除成績は明らかでなく,切除適応,術式などのコンセンサスも得られていない.本セッションでは大腸癌原発でない転移性肝癌に対する肝切除の各施設での適応と治療成績を提示し議論していただきたい.
30.肝内胆管癌:肝内胆管癌切除における至適リンパ節郭清詳細肝内胆管癌は肝胆膵領域癌の中でも予後不良な疾患の一つであり,これまで治療方針やその成績に関して様々な議論がなされてきた.しかし腫瘍の大きさや局在,リンパ節腫大の有無による至適リンパ節郭清の是非やその範囲など,治療方針に一定のコンセンサスはまだ得られていない.本セッションでは肝内胆管癌に対する肝切除における至適リンパ節郭清の範囲について,各施設での治療方針と化学療法や新規治療など集学的治療を含めた成績を提示し,議論していただきたい.
31.膵切除後の長期合併症詳細膵切除は腹部手術の中で最も侵襲の大きい術式の一つであるが,近年,手術手技,周術期管理の進歩に伴い,術後早期の合併症を克服した長期生存例が増加し,さまざまな長期合併症が問題となってきている.本セッションでは,耐糖能低下をはじめ,栄養障害による脂肪肝,胆管炎,膵炎,脾臓摘出後重症感染症などの膵切除後長期合併症に関して各施設の発生頻度,対応策などを論じていただき,これらの長期合併症を考慮した術式の工夫についても議論していただきたい.
32.総胆管結石治療のベストプラクティス詳細内視鏡技術の進歩により総胆管結石の大部分は内視鏡的処置が可能となった.本邦においては胆嚢摘出術と総胆管結石治療を行う場合に,内視鏡を用いた2期的治療が主たる治療法となっている.しかしながら総胆管結石の大きさによる内視鏡治療の適応の限界や,胆嚢摘出術と内視鏡的胆管結石治療の順序,さらには(腹腔鏡下)胆管切開結石摘出術や体外衝撃波胆石破砕術などを選択する施設もあり治療方針に一定のコンセンサスが得られていない領域も存在する.本セッションでは低侵襲な鏡視下手術が普及した現状での各施設における総胆管結石治療の治療戦略とその短期,長期予後を提示し議論していただきたい.
33.女性外科医が羽ばたくための支援と工夫詳細日本医師会の資料によると全医師における女性医師の割合は年々増加しており,2014年の女性医師比率は20%を超えた.なかでも産婦人科や小児科では20代の女性医師の割合が半数以上を占めているが,女性外科医はまだまだ少ないのが現状である.その一因として,女性外科医に対するキャリアサポートが不十分であることが挙げられる.本セッションでは,女性外科医が置かれた現状を知り,結婚や出産・育児を経ても働きつづけ,さらに男性医師と同様にキャリアを積み重ねるために必要な支援や工夫に関して論じていただきたい.
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要望演題 Requested Title 公募 |
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一般演題
公募 |
ご投稿の演題についてのカテゴリーを,部門・疾患・内容から各1つづつ選択してください.
【部門】 【疾患】 【内容】 |
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学部学生・初期研修医・メディカルスタッフセッション
公募 |
※学部学生・初期研修医・メディカルスタッフセッションへのご投稿は非会員でも可能です. |
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専攻医セッション
公募 |
応募条件
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※プログラムは変更になる場合もあります.