第74回日本消化器外科学会総会

第74回日本消化器外科学会総会日本消化器外科学会

The 74th General Meeting of the
Japanese Society of
Gastroenterological Surgery

病人から学ぶ消化器外科学 2019年7月17日(水曜日)~19日(金曜日)
TokyoTower

プログラム

プログラム

日程表

「専攻医セッション」新設のお知らせ

2023年から消化器外科専門医新規申請時に,日本消化器外科学会総会または大会での筆頭演者としての発表1件が必須となります.
(詳細につきましては本学会Webサイトをご覧ください.)
それに伴い,本学会理事会において,日本消化器外科学会総会で「専攻医セッション(査読有)」を設けることが決まりましたので,本総会から実施することといたしました.
専攻医セッション」とは,2023年以降の消化器外科専門医新規申請予定者向けのコーナーとなります.演題登録時には,下記にご留意ください.

  • 本学会会員であること.
  • これまでに,本学会総会または大会で筆頭演者での発表をしていないこと.
  • 2023年以降に消化器外科専門医新規申請予定であること.
  • 消化器外科専門医をまだ持っていないこと.

なお,第75回総会以降も「専攻医セッション」は継続して設ける予定です.
要件を満たす先生方からの演題のご登録をお待ちしております.

■本マークEnglishがあるセッション
英語セッションとなりますので,進行・発表・発表スライドは英語となります.

■本マークEnglishがないセッション
発表スライドは英語ですが,進行・発表は日本語となります.

JSGSプログラム
JSGS-Program

理事長講演
Lecture by Board Chair of JSGS詳細

日時:7月17日(水曜日)11時30分~12時00分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:北野 正剛(大分大学)
演者:瀬戸 泰之(東京大学医学部大学院 医学系研究科消化管外科学)
タイトル:日本消化器外科学会 あらたな半世紀に向けて

総会会長講演
Lecture by 74th Congress President詳細

日時:7月18日(木曜日)13時20分~14時10分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:青木 照明(東京慈恵会医科大学 外科学)
演者:矢永 勝彦(東京慈恵会医科大学 外科学講座 消化器外科分野)
タイトル:若手消化器外科医を育てる
特別講演
Special Lecture

特別講演1
Special Lecture1詳細

日時:7月17日(水曜日)9時00分~10時00分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:瀬戸 泰之(東京大学医学部大学院 医学系研究科消化管外科学)
演者:門田 守人(堺市立病院機構 堺市立総合医療センター)
タイトル:消化器外科領域における働き方改革

特別講演2
Special Lecture2詳細

日時:7月18日(木曜日)9時20分~10時20分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:桑野 博行(福岡市民病院)
演者:炭山 和毅(東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座)
タイトル:AIがもたらす未来の医療とは?(AIによる画像診断、診断・手術支援)

特別講演3
Special Lecture3詳細

日時:7月18日(木曜日)14時20分~14時50分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:前原 喜彦(公立学校共済組合 九州中央病院)
演者:川原 尚行(認定NPO法人ロシナンテス)

特別講演4
Special Lecture4詳細

日時:7月19日(金曜日)10時30分~11時30分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:跡見  裕(杏林大学)
演者:清宮 克幸
教育講演
Educational Lecture

教育講演1
Educational Lecture 1詳細

日時:7月17日(水曜日)13時30分~14時30分
会場:第4会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「香雲」
司会:兼松 隆之(長崎市立病院機構)
演者:北川 雄光(慶應義塾大学医学部 外科)
タイトル:新専門医制度への対応と若手消化器外科医の教育・リクルート

教育講演2
Educational Lecture 2詳細

日時:7月18日(木曜日)10時20分~11時20分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:佐野  武(がん研究会 有明病院消化器外科)
演者:馬場 秀夫(熊本大学大学院 消化器外科学)
タイトル:消化器外科医の国内・国外留学の意義

教育講演3
Educational Lecture 3詳細

日時:7月19日(金曜日)9時30分~10時30分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:森  正樹(九州大学大学院 医学研究院(臨床医学部門 外科学講座 消化器・総合外科学分野)
演者:土岐祐一郎(大阪大学大学院 医学系研究科外科学講座消化器外科学II)
タイトル:消化器外科領域の多施設共同研究の体制構築
招待講演
Invited Lecture
English

招待講演1
Invited Lecture 1 English詳細

日時:7月17日(水曜日)15時30分~16時30分
会場:第3会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「翠雲」
司会:高田 忠敬(帝京大学医学部 医学科外科学講座肝胆膵外科)
演者:Richard D.Schulick(University of Colorado School of Medicine Department of Surgery)
タイトル:Pancreatic cancer treatment: better, but a ways to go

招待講演2
Invited Lecture 2 English詳細

日時:7月17日(水曜日)13時30分~14時30分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:幕内 雅敏(医療法人社団 大坪会 東和病院外科)
演者:John Fung(University of Chicago Medical Center)
タイトル:Suppressing the Immune System : The Good, The Bad and The Ugly

招待講演3
Invited Lecture 3 English詳細

日時:7月18日(木曜日)10時30分~11時30分
会場:第4会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「香雲」
司会:青木 照明(東京慈恵会医科大学 外科学)
演者:Sumeet K.Mittal(St. Joseph's Hospital and Medical Center)
タイトル:Intra - thoracic stomach - surgical treatment and outcomes

招待講演4
Invited Lecture 4 English詳細

日時:7月17日(水曜日)14時30分~15時30分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:金子 弘真(東邦大学医学部 外科低侵襲医療学)
演者:Ho-Seong Han(Seoul National University, College of Medicine)
タイトル:Advanced Laparoscopic Liver Resection and its Prospects

招待講演5
Invited Lecture 5 English詳細

日時:7月17日(水曜日)10時00分~11時00分
会場:第1会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「慶雲」
司会:笹子三津留(淀川キリスト教病院 外科)
演者:Han-Kwang Yang(Seoul National University College of Medicine)
タイトル:Vision of Precision Surgery
特別企画
Special Session

特別企画
Special Session詳細

日時:7月18日(木曜日)17時00分~18時30分
会場:第2会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「白雲」
司会:阪本 良弘(杏林大学医学部 肝胆膵外科)
   篠原  尚(兵庫医科大学上部消化管外科)
タイトル:オペレコを極める
JSGS-SSO
English

JSGS-SSO Joint Symposium English詳細

日時:7月17日(水曜日)13時30分~15時30分
「Treatment of Hepatocellular Carcinoma: Perspectives from the East and West」
会場:第9会場 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール1階「瑞光」

司会:
山本 雅一(東京女子医科大学 消化器・一般外科)
武冨 紹信(北海道大学 消化器外科学教室I)

演者:
T. Clark Gamblin(Medical College of Wisconsin)
長谷川 潔(東京大学大学院 肝胆膵外科学)
吉住 朋晴(九州大学大学院 消化器・総合外科学)
Adam Yopp(University of Texas Southwestern Medical Center)

シンポジウム
Symposium
English
(一部日本語)

公募・一部指定

―シンポジウム―
シンポジウムはある程度完成され,すでに認められている業績を持つ演者がその業績をさらに発展させたものを示すものであり,したがって,これまでの業績を集約した完成度の高い演題をとりあげるセクションである.その意味ではシンポジストに選ばれることは大変名誉なことである.また,演者は様々な領域の専門家,あるいは違った意見を持った専門家が望ましい.それぞれの演者については個別に質疑・討論を行い,総合討論は行わない.(日本消化器外科学会「学術集会プログラムの定義」)


1.食道癌術前治療後の効果判定とその後の治療選択 English
(Evaluation of neoadjuvant therapy for esophageal cancer and postoperative treatment option)
詳細

切除可能胸部食道癌に対する我が国の標準治療は5-FU+シスプラチンを用いた術前化学療法とされている.現在,JCOG1109においてより強い術前化学療法と術前化学放射線療法が比較検討されている.実際,ドセタキセルを併用した術前DCF療法では高い奏効率が報告されており,現在の日本食道学会のガイドライン上も臨床ステージII,III食道癌に対して術前化学療法が推奨度Bとされている.一方,術前治療中に腫瘍の縮小効果を認めない症例も少なからず存在する.今後の術前治療の変化に伴い,その治療効果判定の時期や方法,そして術前治療無効例に対する至適治療選択につき論じていただきたい.

2.分子標的薬時代における胃癌の治療戦略 English
(Treatment strategies for gastric cancer in the era of molecular targeting therapy) 詳細

我が国における胃癌薬物療法に関して,既存の殺細胞性抗癌剤による治療法に加え,抗HER2治療薬であるTrastuzumab,続いて抗VEGF治療薬であるRamucirumabの有用性が示され,両薬ともにガイドラインで標準治療に組み込まれた.また抗PD-1抗体であるNivolumabの登場により胃癌の抗癌剤治療も新しい段階へと進みつつある.本シンポジウムでは分子標的薬を用いた胃癌の治療戦略につき,各施設の取り組みと治療成績を提示していただきたい.

3.進行横行結腸癌に対する手術手技のコツと工夫 English
(Surgical techniques for advanced transverse colon cancer) 詳細

横行結腸癌に対する手術はいまだ定型化されておらず,特に肝弯曲や脾弯曲授動を伴う場合,結腸と膵臓,脾臓,大網,十二指腸など周辺臓器との解剖学的位置関係から技術的に高難度とされている.またSurgical trunkへの流入静脈は解剖学的にvariationが多く,根治を目指した進行横行結腸癌手術はさらに高難度とされている.本シンポジウムでは各施設における郭清のテクニックや安全な外科手術を施行するための取り組みを論じていただきたい.

4.切除不能膵癌に対するConversion Surgeryの現状 English
(Conversion surgery for unresectable pancreatic cancer) 詳細

予後不良な膵癌の根治には外科的切除が重要であるが,画像診断法の進歩にも関わらず診断時に切除不能な進行膵癌症例は依然として多い.近年,従来の治療法と比較して奏効率が髙いFOLFIRINOX,Gem/nab PTXが保険適応となり,切除不能膵癌に対するConversion Surgeryの報告が見られるようになってきた.しかし術前化学療法のレジメン,放射線併用の意義,術前治療期間,切除可否の判断基準,術後補助化学療法の必要性など依然不明な点が多い.本シンポジウムでは各施設における切除不能膵癌に対する治療戦略と治療成績を提示していただきたい.

5.消化器外科医の社会貢献
(Social contribution as a gastroenterological surgeon) 詳細

わが国の医療は国民皆保険を特徴とするが,医療による社会貢献は海外の医療支援,天災時の対応など,必ずしも保険診療の枠にとらわれない.本シンポジウムでは消化器外科医が実践する,あるいはでき得る社会貢献について,具体的にご提示いただき,消化器外科医が今後,社会へより大きく貢献する上でのヒントを与えていただきたい.

6.消化器外科におけるoncologic emergency English
(Oncologic emergencies associated with gastroenterological surgery) 詳細

消化器外科領域においてOncologic emergencyとは,悪性疾患を原因として“出血”,“穿孔”,“閉塞”,“感染”などの緊急対応を要する病態である.治療方針の決定に際しては,原疾患の根治性,救命のための治療のタイミングやそれらのバランスなどに苦慮することが少なくない.本シンポジウムでは,各施設におけるOncologic emergency に対する治療戦略につき論じていただきたい.

7.消化器外科におけるビッグデータの利活用 English
(Utilization of 'Big Data' in gastroenterological surgery) 詳細

官民データ活用基本法の施行,改正個人情報保護法の施行,デジタル化の普及やネットワークの高度化,スマートフォンの活用などにより,産業界では官民共同でビックデータ活用のための環境整備が進みつつある.外科関連分野でもNational Clinical Databaseや全国胃癌登録をはじめとする各学会主導によるビックデータの蓄積が行われている.本シンポジウムでは各施設におけるビックデータの利活用法をご提示いただきたい.

8.がん治療と就労の実態
(Reality of cancer treatment and employment) 詳細

国民の2人に1人は一生のうち1度ががんにかかり,3人に1人はがんで死亡する時代となった.検診による早期発見や治療の進歩によりがんの生存率は改善しつつあり,「がんと共に生きる」時代が到来した.がん患者は様々な職種,あるいは規模の企業で就労しているが,雇用者側のがんに対する認識は様々である.仕事は家計や治療費を賄う経済的な手段だけではなく,生きがいとして精神的な支えになるが,がんと診断されると一般的に働き方の変化に伴い収入が減少し,治療と仕事の両立が容易ではなくなる.そのため,がん患者は多様な不安を抱えることとなる.本シンポジウムでは,がん治療と就労の実態につき,様々な立場から論じていただきたい.
ビデオ
シンポジウム
Video Symposium
English

公募・一部指定

1.食道がんに対する内視鏡外科手術の進歩 English
(Advances in surgical techniques for endoscopic surgery for esophageal cancer)
詳細

食道癌の手術は,この10年あまりで縦隔鏡を含めた内視鏡下手術が急速に全国的に広がった.内視鏡下手術は低侵襲性,整容性,拡大視効果による手術精度の向上などに優れる反面,間接視,触覚を得にくい,操作空間が制限されるなどの問題点があった.近年これらを克服するためのデバイスや画質の進歩が著しく,3D画像を採用した体腔内視鏡やロボット手術が普及つつある.本セッションでは,食道内視鏡外科手術の進歩を示し,将来像を論じていただきたい.

2.腹腔鏡下胃外科手術手技の進歩 English
(Advances in techniques for laparoscopic gastric surgery ) 詳細

1991年に本邦で胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術が施行されて以降,腹腔鏡下胃全摘,噴門側胃切除など多くの術式が様々な工夫の下で行われている.進行胃癌や上部胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の検証も行われており,更にロボット支援胃切除術も保険収載された.また胃癌診療のみならず,肥満外科手術の分野においても様々な腹腔鏡下手術が施行されている.本セッションでは各施設における胃外科手術手技の進歩をビデオを用いてご提示いただきたい.

3.腹腔鏡下大腸外科手術手技の進歩 English
(Advances in techniques for laparoscopic colorectal surgery) 詳細

大腸癌に対する腹腔鏡手術は年々増加し,その長期成績も明らかになりつつある.一方,炎症性腸疾患は薬物療法の進歩にも関わらず,手術件数の減少には至っていない.近年,腹腔鏡手術の手技の進歩と機器の開発・改良は確実に進んでおり,直腸癌に対する側方リンパ節郭清の導入,経肛門アプローチ法を用いたTME手術(TaTME),近赤外線イメージングを用いた手術など,様々な最先端の技術が報告されている.本ビデオシンポジウムでは,良性・悪性を問わず大腸疾患に対する各施設の腹腔鏡手術手技の最先端をご発表いただき,その発展性を論じていただきたい.

4.局所進行・再発直腸癌に対する手術手技 English
(Surgical procedures for advanced or recurrent rectal cancer) 詳細

局所進行・再発直腸癌に対する外科治療においては,根治性と機能温存の両立が難しく,集学的治療の有用性も示唆されている.直腸癌局所再発に対する根治治療は,外科的完全切除(R0)であるが,その多くが骨盤全摘や仙骨合併切除などの侵襲度の高い手術が必要となり,その適応や手術術式には議論の余地がある.本セッションでは,各施設における治療戦略や手術手技のビデオを供覧していただき,手術の適応やタイミング,選択術式,手術操作のコツ,ピットフォールとその対処法など,様々な角度から論じていただきたい.

5.肝胆膵外科手術手技の進歩 English
(Advances in surgical procedures for hepatobiliary and pancreatic surgery) 詳細

近年の手術手技,手術器具そして手術支援システムの飛躍的な発展により,従来高難度でハイリスクと考えられてきた肝胆膵領域外科手術の安全性は向上した.なかでも3次元画像解析を用いた術前シミュレーション技術や術中ナビゲーション技術は,肝胆膵外科手術はより精緻化なものとしている.本セッションでは,現在の様々な技術を駆使した最新の肝胆膵外科手術手技とその進歩をビデオでご紹介いただきたい.

6.困難な病態に対する手術の工夫 English
(Techniques and ideas for difficult surgical diseases or conditions) 詳細

手術のリスクや難易度は,個々の病態や個体差により大きく異なる.また食生活の欧米化により肥満患者が増加しており,内臓脂肪による術中の視野確保や解剖学的オリエンテーション把握が困難な症例,あるいは手術リスク因子となる糖尿病,循環器疾患などの併存疾患への対応が求められる場合も多い.肝硬変患者では組織の脆弱性や易出血性を伴い,膵頭十二指腸切除術では膵癌と胆道癌で膵臓,膵管の状態が異なり,膵消化管吻合の難易度も多様である.このように様々な困難な病態に対し各施設で行なっている安全性を高める手術手技や対策の工夫をご提示していただき,その有用性を議論していただきたい.

7.ロボット手術が消化器外科にもたらす変化 English
(Changes in gastroenterological surgery by robotic surgery) 詳細

ロボット手術は,2018年4月より新たに消化器外科分野の胃癌,食道癌,直腸癌に保険適応が拡大された.しかし,病期や術式の制限や厳しい施設基準が設けられており,また既存技術を超える有用性のエビデンスが得られていないため,今回の保険収載では腹腔鏡手術と同点数にとどまっており,手術支援ロボットの価格や保守点検料,消耗品の材料費などから,その普及には課題が多い.以上を踏まえ,ロボット手術が今後消化器外科領域にもたらす影響につき,ご討論いただきたい.

8.消化器外科における再手術・再切除に対する工夫English
(Strategy for redo surgery in gastroenterological surgery) 詳細

消化器外科領域においては外科的治療後に,悪性腫瘍再発や良性疾患の病態再発・悪化,術後合併症などに対して再手術や再切除を必要とする症例が存在する.再手術時には癒着,解剖学的位置関係の偏位等に伴い,出血や副損傷など特有の合併症に対する対応が重要となる.この点,近年の癒着防止剤や内視鏡手術の導入により,再手術・再切除の適応は今後さらに拡大すると期待される.本セッションでは各施設における再手術・再切除術に対する工夫や治療成績をビデオでご提示頂き,将来の再手術に対する癒着防止対策,あるいは再手術・再切除の適応,術式選択(開腹or鏡視下),手術時の工夫,問題点などにつき論じていただきたい.
パネルディスカッション
Panel Discussion

公募・一部指定

―パネルディスカッション―
パネルディスカッションは数人の演者が一つの問題について全員で集中的に討議を戦わせるセクションである.司会者が主導となり総合討論を行い,演者は自己の経験や業績にもとづいて異なる意見を述べあう.演者による一定時間の講演は行わず,聴衆は演者間の討論の中から,今後の診療に取り入れるべきものを得る.したがって,一つの結論にまとまらないこともあるが司会者は一定の方向を示すことが望ましい.(日本消化器外科学会「学術集会プログラムの定義」)


1.食道癌手術における再建のbest practice詳細

食道癌手術は近年,体腔鏡手術の定型化やロボット手術の導入により比較的安全に施行できるようになった.食道癌手術における再建術は,その成否により術後患者の QOL に直接影響を与えるため,切除術に劣らず重要である.現状では各施設で多様な再建経路や再建臓器の選択,あるいは血行再建術の付加が行われている.本セッションでは,食道再建術における術後短期合併症や消化管機能障害などの長期合併症の問題点を明らかにした上で,再建法に関する各施設の工夫とその根拠を発表していただきたい.

2.胃癌腹膜播種に対する治療戦略詳細

進行胃癌の転移再発形式で最も頻度が高い腹膜播種に対する標準治療は全身化学療法であるが,その効果は依然不十分である.腹膜播種に対する治療戦略の一端として腹腔内温熱/化学療法や腹膜亜全摘術など様々な手法が試みられてきたが,近年,タキサン系抗癌剤の腹腔内化学療法を併用した全身化学療法などの新たな試みが行われ,臨床試験の結果が報告されている.また,腹膜播種に対する診断法として,審査腹腔鏡の有用性も示されている.本セッションでは診断法,治療法を含め,各施設における胃癌腹膜播種に対する集学的治療の取り組みとその治療成績をご提示いただき,治療戦略を論じていただきたい.

3.IBDに対する至適手術時期と術式選択詳細

生物学的製剤や免疫調節剤の導入により,IBDに対する内科的治療の成績は飛躍的に向上し,寛解から粘膜治癒を目指す時代になった.一方,潰瘍性大腸炎における易再燃例やクローン病における狭窄性病変など,内科的治療では限界のある症例も存在し,適切な外科治療選択時期の判断が重要である.またIBDの外科治療にも様々な低侵襲な手術手技が応用されつつある.本セッションでは,外科治療のタイミング,術後QOLの向上を考えた術式や工夫などにつき,現状の課題と今後の展望を含めてご議論いただきたい.

4.肝移植ハイリスク患者への挑戦詳細

本邦における肝移植は2017年末までに9,000例を超え,末期肝不全患者に対する治療としての地位を確立したといえる.これまで,肝移植の適応に関しては,生体あるいは脳死移植片の希少性・貴重性とリスク管理の視点から,肝不全あるいはその合併症の重度進行例や重篤な他臓器疾患合併例においては,肝移植の適応外とされていたハイリスク症例が一定数存在した.一方,手術手技や周術期管理が進歩する中,それらの患者に対して,移植適応が拡大できる可能性がある.本セッションでは,肝移植適応の限界につきご討論いただきたい.

5.Stage 1膵癌の再発から学ぶこと詳細

種々の癌種の治療成績が改善する中,Stage I 膵癌の5年生存率は全国調査で41.2%(2017年5月)に留まり,切除後の再発が依然として問題となっている.本セッションでは各施設におけるStage I 膵癌の術後再発例についてその再発パターンや予後,補助治療の影響などをご提示いただき,Stage I 膵癌を根治するための再発予防や再発後の治療などの方策を論じていただきたい.

【ご注意】
※パネルディスカッションの演者選定は登録された抄録の評価をもとに行います.プログラムの概要に提示された論点(病態の定義,治療方針および工夫,治療成績など)を提示してください. 演者間討論を通して一定の見解を導き出すという上記定義を満たすため,抄録内容に沿った発表形式にならないこともあります.
※採否決定後に発表スライドを事前にご提出いただきます.
ご提出をいただいた発表スライドをもとにアンサーパッドの設問を作成いたします.
ワークショップ
Workshop

公募・一部指定

―ワークショップ―
ワークショップは完成した研究成果より,むしろ未完成の進行中の研究をとりあげるセクションである.聴衆との討論の中で助言や今後の方向性が指摘される.斬新な考えや新しい方向などを示すような発表が望ましい.発表内容が多岐にわたることから総合討論は司会者の判断で有無を検討する.(日本消化器外科学会「学術集会プログラムの定義」)


1.頸部~頚胸境界部食道癌の治療戦略 詳細

頸部食道癌の治療は手術と放射線化学療法が主体となるが,これらの治療成績の優劣に明確なevidenceはなく,さらに根治性と機能温存の双方を考慮しなければならない.頸胸境界部食道癌は至適郭清範囲が明確でなく,咽喉頭摘出や頸部胸部食道全摘を伴う場合もあり,再建が煩雑で手術法の選択に難渋することがあり,依然として施設間で治療法の選択の差異が大きい.耳鼻咽喉科や形成外科との連携手術なども含め,各施設の治療法の選択と問題点,工夫,治療成績などについてご発表いただきたい.

2.切除不能食道癌に対するConversion Surgeryの現状 詳細

診断時点では切除不能であっても,化学療法や化学放射線療法の進歩によりR0手術が可能な症例に対してConversion surgeryが選択される場合がある.化学療法の進歩により症例が蓄積されつつあるものの,そのEvidenceは明確ではない.前治療により組織や剥離層が変性をきたすため高度な手術操作を必要としたり,患者自身の消耗により周術期管理に難渋するケースもある.食道癌におけるConversion surgeryの現状に関して対象患者,手術における工夫,周術期合併症,長期予後などを議論していただきたい.

3.切除不能胃癌に対するConversion Surgeryの現状 詳細

遠隔転移を伴う進行胃癌の治療は化学療法が基本となるが,その進歩とともにConversion surgeryが行われるケースが増えている.しかしその適応・効果については一定の見解はない.本セッションでは,胃癌におけるConversion surgeryの対象症例,化学療法の種類または他の治療法,術式,手術時期などに関して,各施設で行われている治療法・成績についてご議論いただきたい.

4.切除不能大腸癌に対するConversion Surgeryの現状 詳細

切除不能大腸癌では,分子標的薬の併用による化学療法,放射線療法さらには免疫療法などを組み合わせた集学的治療の進歩により,長期予後が期待できるようになった.さらに様々な集学的治療により,切除不能大腸癌を切除可能としたうえで切除するConversion surgeryが近年注目されている.しかしConversion surgery による予後の改善については未だ一定の見解が得られていない.本セッションでは各施設における遠隔転移を含めた切除不能大腸癌に対するConversion surgeryの現状,治療成績についてご議論いただきたい.

5.高度食道裂孔ヘルニアに対する内視鏡外科手術の工夫 詳細

AFP分類でA3に分類される混合型・傍食道型食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術は,胃が縦隔内に挙上しているため,横隔食道間膜を切離しても迷走神経前幹の同定が困難なことが多い.さらに,食道がしばしば屈曲・変位しており,前幹のみならず後幹を損傷する可能性がある.また,食道裂孔は大きく開大していることが多く,加齢による組織の脆弱化ならびに亀背による体型の変化などにより滑脱型よりも再発率が高いのが現状である.本セッションでは,術中偶発症を回避するためのコツや,再発を予防するための工夫について論じていただきたい.

6.肥満外科と代謝機能改善 詳細

肥満外科手術は,国内では腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を中心に広く行われるようになった.2型糖尿病をはじめとした肥満関連疾患に対し臨床的に著明な改善効果が認められる一方,長期的には効果不十分な報告もある.また現在,腹腔鏡下スリーブバイパス術が先進医療に承認され,より重症の糖尿病患者に対する改善効果が期待されている.本セッションでは各施設で施行した術式における短期および長期的肥満関連疾患の改善効果をご提示いただき,代謝機能改善効果を最大限に発揮できる治療戦略についてご討論いただきたい.

7.消化管GISTに対する術前治療 詳細

GISTに対する治療戦略は,Imanitibの出現以降大きく変化を遂げている.リスク分類に沿った術後補助療法の有効性は確立されており,現在議論の中心はその至適投与期間に移りつつある.一方,根治的切除不能もしくは他臓器合併切除を要する症例に対する術前補助療法は,選択肢とはなり得るものの,十分なエビデンスが存在しない.またc-kit遺伝子の解析によりImanitibの効果予測が可能となった.本セッションではGISTの術前治療の対象,治療期間,また術前治療を行った場合の術後治療に関して,各施設における適応や治療経験を論じていただきたい.

8.下部進行直腸癌に対する側方郭清の是非 詳細

下部進行直腸癌の国際的な標準術式は直腸間膜切除術 (ME) または全直腸間膜切除術 (TME) である.一方,本邦では側方リンパ節郭清 (LLND) を伴う ME が標準術式となっている.JCOG 0212試験にてStageII,III切除可能直腸癌における側方郭清の非劣性は証明されなかった.この結果からは側方郭清が支持されると考えられるが,全例で側方郭清が必要かに関しては議論の余地があると考えられる.本セッションでは,各施設の下部進行直腸癌に対する側方リンパ節郭清やそれに代わる術前放射線化学療法などの治療成績と,現時点での側方郭清の是非について議論していただきたい.

9.直腸癌術後における肛門機能障害 詳細

直腸癌に対する術後肛門機能の評価と肛門機能障害の治療法は確立していない.直腸肛門機能検査法としては,直腸肛門内圧検査,直腸肛門反射検査,直腸感覚検査,排出能力検査,排便造影検査などがある.また肛門機能障害に対する治療としてはバイオフィードバック訓練などの機能訓練や括約筋形成手術,SNM(仙骨神経刺激療法)などの外科的治療が試みられており,いずれも有効性の報告がある.本セッションでは直腸癌術後の肛門機能障害の評価と治療戦略を議論していただきたい.

10.ストーマ造設法と閉鎖法の工夫 詳細

ストーマ造設法の標準化を目指して,2014年2月「消化管ストーマ造設の手引き」が発刊された.ストーマ造設法や閉鎖法に関する標準的な方法が記載されており,手術法やストーマケアの手引きとしての役割を果たしている.しかし,実際にはストーマ造設の対象となる患者の高齢化,ストーマ造設を必要とする疾患背景の複雑化などから,各施設で更なる工夫を凝らしていると考える.本セッションでは,これまでの造設法や閉鎖法(ハルトマンリバーサルを含む)における問題点と工夫点に関し議論していただきたい.

11.肝胆膵外科手術におけるNavigation Surgeryの意義と今後の展望 詳細

近年,術中センチネルリンパ節生検をはじめとするNavigation Surgeryが実用化され,消化器外科においてもその有用性が広く認められている.肝胆膵外科領域では最新の術前画像解析による術前simulationに加え,ICGを用いた術中の病変同定や脈管解剖の確認を目的としたNavigation Surgeryの有用性が報告されている.本セッションでは肝胆膵外科手術における最新のNavigation Surgeryの経験についてご提示いただき,問題点と今後の展望について論じていただきたい.

12.肝移植と合併症対策 詳細

末期肝不全患者に対する肝移植は,手術手技や免疫抑制剤の進歩,周術期管理方法の確立により,その安全性は向上した.しかし,胆管吻合部狭窄,術後早期血栓症,さらにABO血液型不適合移植で特に発生しやすい感染性合併症など,グラフト不全や生命予後にまで影響を与えうる合併症,あるいは長期的な栄養管理など対処すべき課題は未だに多い.本セッションでは,肝移植における種々の合併症につき,各施設の治療成績と対策を討論していただきたい.

13.消化器癌手術におけるERASの有用性 詳細

ERASは,術後の早期回復を目指して周術期の各種管理方法を集学的に実施するプロトコールであり,諸外国でガイドラインが作成・ 公表され,普及が進んでいる. わが国でもERASの普及により術後合併症の減少や手術成績の向上が報告されている.本邦にERASが紹介されてから10年以上が経過しており,新たな周術期栄養管理,早期離床,ドレーン管理などについて,先進的な周術期管理プログラムの実践とその効果,あるいはチーム医療としての ERAS への取り組みをご紹介いただきたい.

14.消化器外科術後SSIサーベイランスと多職種連携 詳細

周術期の栄養管理や感染対策には病院内での多職種の関与が必要であり,ICT活動も看護師,薬剤師,臨床検査技師,事務職など多職種で構成される事が多い.このような多職種の連携による正確かつ効率の良いSSIサーベイランスの実践や感染対策の工夫・成果についてご報告いただきたい.

15.高度侵襲術後急性期の栄養管理 詳細

近年,ERASなどの術後回復促進のための周術期管理プログラムの有効性が明らかにされてきた.周術期管理の改善は術後合併症を減少させ,手術成績を向上させた.一方,食道切除再建術や膵頭十二指腸切除術など高度侵襲術後は術後合併症の発生率が未だ高く,術前の栄養障害が術後合併症の遷延や死亡率と関連することは広く認識されている.今後の高齢患者の増加に伴い,様々な既往症や合併症を有する患者の手術機会が増加し,周術期の栄養管理の重要性がますます高くなると見込まれる.本ワークショップでは,周術期成績向上に向けて高度侵襲術後の栄養管理に関する工夫とその評価につきご発表いただきたい.

16.腎機能障害を有する患者の周術期管理 詳細

腎臓は人体における最重要臓器のひとつである.腎と消化器疾患はあまり認知されていないが,腎不全患者では消化管運動異常が広く認められ,胃内容の排出が遅延し,それに起因して嘔気・嘔吐,食思不振が認められる.一方,下部消化管外科でも,消化管運動異常により腹痛,便秘,下痢など様々な消化器症状が惹起されることが知られており,術後麻痺性イレウスの要因にもなり得る.また,腎機能障害は浮腫,肺水腫,電解質・ホルモン異常などをきたしやすく,特に周術期管理に注意を要する.本セッションでは腎機能障害を有する患者の周術期管理の要点について論じていただきたい.

17.腸内細菌叢と外科治療 詳細

近年の研究により腸内細菌叢は感染症のみならず癌,代謝性疾患など様々な疾患の発症や治療効果と関連する重要な因子であることが明らかとなってきている.外科領域では周術期の栄養管理,疾患治療の一環としての絶食,周術期の抗菌薬の投与などが腸内細菌叢に影響を与えることが明らかにされつつある.また,高度侵襲を伴う外科手術においてその侵襲により腸内細菌叢が変化し,結果として術後感染性合併症が増加するとの報告もある.本セッションでは,外科治療における腸内細菌叢の変化とその役割,意義について論じていただきたい.

18.Frailな患者に対する消化器外科手術 詳細

わが国は2035 年には3人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えるとされており,近年,外科領域でもFrailの概念が注目されている.Frailとは,加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態である.その診断基準として移動能力,筋力,認知機能,栄養状態,バランス能力,持久力,身体活動性,社会性などの複数項目を合わせて評価する場合が多い.Frailな患者に対する外科手術では,術後合併症や在院死が有意に高率であることが報告されている.本セッションでは,各施設におけるFrailな消化器外科手術患者に対する新しい取り組みとその成果につきご発表いただきたい.

19.消化器外科領域の周術期感染症対策 詳細

1999年CDCのSSI対策ガイドラインの発表により本邦でも多くの施設において周術期感染対策に関心が寄せられるようになった.近年,日本外科感染症学会,日本化学療法学会から予防的抗菌薬のガイドライン,あるいはCDC,WHO,ACS/SISの新しいSSI対策ガイドラインのupdateが発表され,施設独自の感染対策への取り組みの報告も散見される.各施設における抗菌薬の選択や周術期感染管理に関する新しい取り組みとその成果についてご発表いただきたい.

20.腹壁瘢痕ヘルニアに対するテーラーメイド治療 詳細

腹壁瘢痕ヘルニアは,その大きさ,部位,また患者背景など一様ではない.近年,創感染が低率であることもあり,腹腔鏡下修復術が盛んに行われているが,複雑なヘルニア(巨大ヘルニア,メッシュ後再発,複数開腹歴など)に対する手術適応に関しては議論の余地がある.ヘルニアの状況に応じた各施設の治療方針と成績について論じていただきたい.

21.消化器外科手術における輸血の功罪 詳細

消化器外科手術では,手術手技,手術器具,周術期管理が発達した今日においても,術中出血や術前全身状態不良による貧血,凝固障害,血小板減少などにより周術期血液製剤使用が不可避な場合がある.一方,悪性疾患治療においては血液製剤使用が免疫低下を惹起し,再発ひいては生命予後の悪化につながるとの報告が多い.また,2016年の診療報酬改定で希釈式自己血輸血が新規収載され,今後の普及が見込まれる.本セッションでは各施設の周術期輸血における方針,工夫,治療成績をご提示いただき,輸血または各血液製剤使用の功罪についてご討論いただきたい.

22.医原性胆道損傷に対する至適アプローチ 詳細

胆嚢結石関連疾患に対する腹腔鏡手術は世界的に標準術式として施行されているが,術中胆道損傷は患者の生命予後をも左右しうる重篤な合併症である.手術適応,手術器具,画像診断が発達した今日においても,全国データでの発生率は約0.6%と報告されている.その修復においては,immediate repairとdelayed repair,各損傷形態に対する至適修復法など,controversialな部分も多い.本セッションでは各施設の医原性胆道損傷に対する治療方針,治療成績をご報告いただき,至適アプローチについてご討論いただきたい.

23.消化器外科領域における新規バイオマーカー 詳細

近年,消化器癌において様々なバイオマーカーが診断,治療,予後予測において臨床上重要な指標となっている.血液,尿,体液等各種検体中のタンパク質や遺伝子によるバイオマーカーを用いて,治療に必要な正確な診断と詳細な分類,術後再発の迅速な検出,さらには生検や手術標本解析による予後予測および習学的治療の検証など,外科領域においてもバイオマーカーを用いた診断および治療戦略は重要視されるようになった.本セッションでは,新規バイオマーカーの有用性と意義について論じていただきたい.

24.膵癌に対するリンパ節郭清の再考詳細

膵癌手術におけるリンパ節郭清についてはリンパ節や神経叢の拡大郭清を伴う拡大手術によって予後が改善されるとする報告がある.一方,これまでのRCTでは積極的な拡大切除による予後の改善は認められず,合併症や在院死亡が多いとの報告もある.またガイドラインでは肉眼根治が得られるような手術が推奨され,徹底した神経叢郭清や大動脈周囲リンパ節を含む広範囲リンパ節郭清の意義はないとされおり,適切なリンパ節郭清については議論の余地がある.本セッションでは各施設にの膵癌手術におけるリンパ節郭清の現状と短期・長期成績を提示していただき,至適なリンパ節郭清について再考し論じていただきたい.

25.若年者の消化器外科手術におけるQOL改善の工夫詳細

消化器外科領域において近年の診断技術の向上,内視鏡外科技術の発展及び臨床試験に裏打ちされた医学的根拠によりQOLを重視した低侵襲,縮小手術が普及してきている.しかしながら,外科手術において完全に術前の機能を維持することは不可能である.術後患者のQOLを改善するためには手術による機能低下を最小限に留め,本来もつ機能を可能な限り維持または再建し,術後リハビリテーション等で回復を図ることが重要と考える.特に若年者においてはその重要性が高い.本セッションでは若年者に対しする術後QOLの見地から,各施設における手術手技,周術期管理,栄養指導等の工夫を論じていただきたい.

26.知られていない消化器外科の歴史詳細

16-17世紀の欧米では,医学は「内科学」が主流とされ,理容師が外科的処置を行っていた.19世紀以降の麻酔法の確立,消毒薬の開発以降,「外科学」は急速に発展を遂げていった.1950年代には虫垂炎,腸閉塞,消化性潰瘍,胆嚢結石などの良性疾患,1960年代には胃がんなど消化管悪性腫瘍の研究・治療が進み「消化器外科学」として発展・普及し始めた.本セッションでは医学書などに出てこないような,あまり知られていない消化器外科の歴史についてご提示いただきたい.

27.稀な消化器外科の病態とそれに対する対応詳細

消化器外科領域において,診断,治療法が確立された病態においては多くのガイドラインが作成され,推奨される治療が広く実践されている.一方,各臓器における発生頻度の低い病態についての診断,治療については十分な知見がなく,標準化が困難な場合も多い.このような稀な病態については診断,治療の問題点や工夫を共有することが今後の診療・研究において重要となると考えられる.本セッションでは各施設で経験した稀な消化器外科の病態とそれに対する対応をある程度まとめてご提示いただき,対応と問題点,課題を検討していただきたい.

28.消化器悪性腫瘍におけるoligometastasisに対する治療戦略詳細

Oligometastasisは1995年に提唱された概念で,他臓器に少数個の転移のみを認める状況とされる.これらの転移の中には化学療法に加えて手術,局所療法,放射線療法を用いた集学的治療で長期予後が得られる症例があることが注目されているが,各臓器における明確な治療戦略は未だ明らかでない.本セッションでは予後因子,原発巣の治療適応,転移巣への有用な治療法等を明らかにするため,oligometastasisを伴う消化器悪性腫瘍に対する各施設の治療戦略と成績について提示していただき,今後の展望と課題についてご討議いただきたい.

29.大腸癌原発でない転移性肝癌に対する肝切除の適応と治療成績詳細

大腸癌肝転移と(神経)内分泌腫瘍肝転移は,その切除成績が比較的良好であることより切除可能であれば肝切除が適応となる.一方,他の癌種では生物学的特性や腫瘍学的な判断により切除非適応となることが多いが,単発腫瘍,原発巣切除後長期経過後に認めた肝転移症例などに肝切除が行われることがある.しかしながら症例数が限られるため切除成績は明らかでなく,切除適応,術式などのコンセンサスも得られていない.本セッションでは大腸癌原発でない転移性肝癌に対する肝切除の各施設での適応と治療成績を提示し議論していただきたい.

30.肝内胆管癌:肝内胆管癌切除における至適リンパ節郭清詳細

肝内胆管癌は肝胆膵領域癌の中でも予後不良な疾患の一つであり,これまで治療方針やその成績に関して様々な議論がなされてきた.しかし腫瘍の大きさや局在,リンパ節腫大の有無による至適リンパ節郭清の是非やその範囲など,治療方針に一定のコンセンサスはまだ得られていない.本セッションでは肝内胆管癌に対する肝切除における至適リンパ節郭清の範囲について,各施設での治療方針と化学療法や新規治療など集学的治療を含めた成績を提示し,議論していただきたい.

31.膵切除後の長期合併症詳細

膵切除は腹部手術の中で最も侵襲の大きい術式の一つであるが,近年,手術手技,周術期管理の進歩に伴い,術後早期の合併症を克服した長期生存例が増加し,さまざまな長期合併症が問題となってきている.本セッションでは,耐糖能低下をはじめ,栄養障害による脂肪肝,胆管炎,膵炎,脾臓摘出後重症感染症などの膵切除後長期合併症に関して各施設の発生頻度,対応策などを論じていただき,これらの長期合併症を考慮した術式の工夫についても議論していただきたい.

32.総胆管結石治療のベストプラクティス詳細

内視鏡技術の進歩により総胆管結石の大部分は内視鏡的処置が可能となった.本邦においては胆嚢摘出術と総胆管結石治療を行う場合に,内視鏡を用いた2期的治療が主たる治療法となっている.しかしながら総胆管結石の大きさによる内視鏡治療の適応の限界や,胆嚢摘出術と内視鏡的胆管結石治療の順序,さらには(腹腔鏡下)胆管切開結石摘出術や体外衝撃波胆石破砕術などを選択する施設もあり治療方針に一定のコンセンサスが得られていない領域も存在する.本セッションでは低侵襲な鏡視下手術が普及した現状での各施設における総胆管結石治療の治療戦略とその短期,長期予後を提示し議論していただきたい.

33.女性外科医が羽ばたくための支援と工夫詳細

日本医師会の資料によると全医師における女性医師の割合は年々増加しており,2014年の女性医師比率は20%を超えた.なかでも産婦人科や小児科では20代の女性医師の割合が半数以上を占めているが,女性外科医はまだまだ少ないのが現状である.その一因として,女性外科医に対するキャリアサポートが不十分であることが挙げられる.本セッションでは,女性外科医が置かれた現状を知り,結婚や出産・育児を経ても働きつづけ,さらに男性医師と同様にキャリアを積み重ねるために必要な支援や工夫に関して論じていただきたい.
要望演題
Requested Title

公募

  • 食道胃接合部癌の治療
  • 質を担保しつつ手術時間を短縮するコツと工夫(食道)
  • 質を担保しつつ手術時間を短縮するコツと工夫(肝胆膵)
  • 食道癌ESD後の追加治療(手術vsCRT)
  • 食道癌術後再建臓器癌に対する治療法
  • 特発性食道破裂に対する外科治療の適応と手術成績
  • 食道アカラシアに対する腹腔鏡下手術 vs POEM
  • 胃癌に対するセンチネル手術:現状と将来の展望
  • 胃・十二指腸穿孔に対する保存治療の見極め
  • 上部消化管領域における局所解剖のポイント
  • 下部消化管領域における局所解剖のポイント
  • 肝胆膵領域における局所解剖のポイント
  • StageIV大腸癌における他臓器転移の治療戦略
  • 大腸癌化学療法におけるバイオマーカーと治療効果判定
  • 直腸脱に対する治療戦略
  • Interval appendectomyの実際
  • 大腸憩室炎に対する治療戦略
  • 大腸癌遠隔リンパ節転移に対する外科的治療の意義
  • 大腸癌イレウスの治療戦略と工夫
  • 痔核治療の現状
  • 再発消化器癌治療と緩和医療
  • 術野汚染を伴うヘルニア修復の治療戦略(鼠径部・腹壁)
  • 再発ヘルニアに対する治療戦略
  • PALN転移症例の治療戦略
  • 消化器外科手術におけるデバイス使用の工夫
  • ほどよい癌手術とは:リンパ節郭清・拡大切除と合併症のバランス,予後への影響
  • 消化器外科領域における術中合併症に対するリカバリーショット
  • 消化器外科領域における術後合併症に対するリカバリーショット
  • 手術合併症が長期予後に与える影響
  • 蛍光観察による消化器外科手術のメリット
  • 古くて新しいドレーンのエビデンス
  • 腎機能障害を有する消化器がん患者に対する化学療法の工夫
  • 女性外科医が羽ばたくための支援と工夫(※ワークショップ33に変更になりました)
  • チーム医療における消化器外科医の役割と今後の展望
  • 臨床外科医ができる基礎研究
  • 消化器癌におけるトランスレーショナルリサーチの最前線
  • 癌ゲノム医療(究極の個別化医療)
  • 癌免疫療法
  • ミラクルサージェリー症例
  • 消化器外科におけるソーシャルメディア活用のベストプラックティス
  • 胆嚢癌のベストプラックティス
一般演題

公募

ご投稿の演題についてのカテゴリーを,部門・疾患・内容から各1つづつ選択してください.

【部門】
01 食道, 02 胃・十二指腸, 03 小腸, 04 大腸, 05 肛門, 06 肝臓, 07 胆道, 08 膵臓, 09 脾臓・門脈, 10 腹膜・後腹膜, 11 免疫系, 12 代謝・栄養, 13 侵襲, 14 消化器全般, 15 上記以外の部門

【疾患】
A 炎症性疾患, B 潰瘍, C 腸閉塞, D 虚血性疾患, E 良性腫瘍, F 前癌病変, G 悪性腫瘍(早期), H 悪性腫瘍(進行), I 悪性腫瘍(再発,転移), J 感染症, K 外傷, L 結石症, M 術後合併症, N 再建臓器機能,再生, O 臓器不全, P 消化管穿孔, Q 移植, R 肥満, S ヘルニア, T 上記以外の疾患,病態

【内容】
a 症例報告, b 早期診断, c 画像診断, d 遺伝子診断, e 手術治療, f 内視鏡外科・腹腔鏡, g 化学療法・免疫療法, h 病理・アポトーシス, i 分子生物・生化, j 生理, k 免疫・内分泌, l サイトカイン, m フリーラジカル, n QOL, o 教育・トレーニング, p 緩和, q 救急, r 漢方, s ガイドライン, t クリニカルパス, u 医療安全, v その他の治療(含む放射線), w 研究(上記以外), x 上記以外の内容

学部学生・初期研修医・メディカルスタッフセッション

公募

※学部学生・初期研修医・メディカルスタッフセッションへのご投稿は非会員でも可能です.
※筆頭著者のみのご登録になり共同演者のご登録はございません.
※共同演者の登録を希望される方は,一般演題でのご投稿をお願いいたします.
※初期研修医とは,投稿時点で卒後2年目までの初期臨床研修の方をさします.

専攻医セッション

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 応募条件
  • 本学会会員であること.
  • これまでに,本学会総会または大会で筆頭演者での発表をしていないこと.
  • 2023年以降に消化器外科専門医新規申請予定であること.
  • 消化器外科専門医をまだ持っていないこと.
※共同演者にご登録につきましては指導責任者等の2名のみとさせていただきます.

※プログラムは変更になる場合もあります.

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