日本消化器外科学会会員 各位
一般社団法人日本消化器外科学会
理事長 調 憲
男女共同参画委員長 野村 幸世
会員の皆様におかれましては,平素より本学会の男女共同参画推進活動に御理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます.
本学会ではこれまで,National Clinical Database(NCD)を用いた女性消化器外科医の手術修練に関する研究に取組んでまいりました.2018年度消化器外科領域新規研究課題「NCDを利用した女性消化器外科医の手術修練に関する研究」では,6術式(胆嚢摘出術・虫垂切除術・幽門側胃切除術・結腸右半切除術・低位前方切除術・膵頭十二指腸切除術)における男女別執刀数を検証した結果,いずれも女性は男性より少なく,特に高難度手術で顕著でした1).また「NCDを利用した男女の消化器外科医による手術成績を比較した研究」では,3術式(幽門側胃切除術・胃全摘術・低位前方切除術)における短期成績に男女差は認められませんでした2).
この結果を踏まえ,2023年には「函館宣言」を発出し,2032年までに中難度手術執刀数の男女差を解消し,引き続き高難度手術においても機会均等を目指すことを目標に掲げました.
今回,6術式における男女別執刀件数の追跡調査を実施した結果,高難度手術における男女差は残存する一方で,中難度手術については改善傾向が認められました3).函館宣言で掲げた「2032年までの改善」よりも早期に改善傾向が示唆された点は,本学会にとって極めて重要な知見であり,会員の皆様の日頃のご尽力に深く感謝申し上げます.
日本消化器外科学会は,これらの知見を踏まえ,関連要因の解明と課題の共有を通じて,高難度手術においても執刀機会の格差是正に向けて真摯に取組んでまいります.皆様の施設におかれましても,変わらぬ御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます.
1)Kono E, Isozumi U, Nomura S, Okoshi K, Yamamoto H, Miyata H, Yasufuku I, Maeda H, Sakamoto J, Uchiyama K, Kakeji Y, Yoshida K, Kitagawa Y. Surgical Experience Disparity Between Male and Female Surgeons in Japan.
JAMA Surg. 2022 Jul 27. doi: 10.1001/jamasurg.2022.2938.
2)Okoshi K, Endo H, Nomura S, Kono E, Fujita Y, Yasufuku I, Hida K, Yamamoto H, Miyata H, Yoshida K, Kakeji Y, Kitagawa Y. Comparison of short term surgical outcomes of male and female gastrointestinal surgeons in Japan: retrospective cohort study.
BMJ. 2022 Sep 28;378:e070568. doi: 10.1136/bmj-2022-070568. PMID: 36170985.
3)Tanaka C, Yamamoto H, Nomura S, Kono E, Ueno H, Kakeji Y, Shirabe K.
Trends in Gender Disparities in Surgical Experience: A National Clinical Database Study.Annals of Gastroenterological Surgery. First published: 23 August 2025. DOI: 10.1002/ags3.70080.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ags3.70080